episode.2-15 ページ16
いやめちゃビビってるやんけ！！というシャオロンさんの爆笑と共に皆さんの笑い声がテント内に響く。やめてくれ許せ……いっそころせ……恥ずかしい……。
そりゃ誰でも後ろから来られれば驚いてしまうでしょう、それに立ち上がろうとしても立ち上がれないなんてなれば。
「ごめんねぇ？君さっきの子でしょ？ちょっとぶつかった子、」
「え、ええ、そうです」
「いや〜ごめんねぇ〜」
改めまして、らっだぁです、と音を区切るようなゆっくりとした発音をした青いかの人は運営国の総統だという。総統が護衛なしにここにいて大丈夫なのかと不安になるが他国のことは他国のこと、今私は自分のことで若干手一杯なので。
「あ、らっだぁ様はどうしてこちらに？」
会議をガッツリ中断させてしまってはいるが、らっだぁ様の先程の発言的に彼も元々会議に加わる予定だったのだろう。そう尋ねればらっだぁ様の垂れていた目尻が上がって目がカッと見開く。
「エッ聞いたァ！？らっだぁ“様”だって！？らっだぁ“様”！ええ〜！？我々の人が俺に対してこんなに丁寧だったことある！？」
そんなに驚くことか！？
らっだぁ様の勢いに思わず身を引いてしまう。
「えっちょっと何の手違い？ウチ来る？豚好き？ウチに金の豚いるよ？あとイカとか」
ぐいぐいとこられるのに困り少しずつ引いていけばパシ、と肩を……
シャオロンさんに掴まれた。
「はいはいらっでぃそこまでにしてくれるか〜？ウチにも豚さんは居るんで間に合っとるわ」
「いやマジでレア過ぎでしょその子……大事に育てろよ……」
「任せろウチで大事に育ててらっだぁの悪口も吹き込んだるわ」
「シャオロン〜？」
シャオロンさんとらっだぁ様が言い合うのを困り眉で見ていればNakamuさんと目が合う。
「_________！」
口パクで話しかけられた内容に羞恥に顔が赤く染まるのを手で扇いで風を送ることで誤魔化そうとしたが、いつまで経っても熱は下がらなかった。
(大切にされてて良かったね！)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 82人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：須戸 | 作成日時：2022年2月13日 20時
