episode.2-14 ページ15
「なんていうか、我々の上の人達にもこういう人がいるんだなってちょっとびっくりしました」
なんて、Nakamuさんがいうとスマイルさんがこくこくと頷く。我々国の方たち……を私の中でも想像すると中々に個性的でまぁそういう反応はするでしょうね、と頷いた。
否定はせんけど、とシャオロンさんも笑ってすらいる。
「これからAも染まってくんやで」
「それは果たして喜ばしいのか悲しむべきなのか」
「いやできればそのままでいて欲しくないですか？」
視線を向けられるが私は苦笑いのままそれをふい、と受け流した。
「じゃあ、会議に入りましょうか」
ああ、どうぞシャオロンさんとAさんはそちらの席に、とNakamuさんに指して案内され、促されるままに着席する。急拵えの椅子にしては素材が良いのかクッションがフカフカで座り心地が良い。
良いポジションを見つけて落ち着いて前を見ればNakamuさんが唯一立ち上がり前に出てボードに紙を貼り付けた。どうやら周辺の地図のようだ。
「今回の山賊討伐の件ですね、我々国と俺達の国が協力することで近隣の国への牽制と治安の維持も兼ねさせてもらっています」
「あー、白尾国、Ω国と最近折り合い悪いもんな」
俺らの国にはビビって手ェ出してこんのにな、なんてシャオロンさんが零す。そういえば、とオスマンさんの元で資料を見せていただいた時に我々国と反りの合わないε国は白尾国と不可侵を結んでいるが、彼等が我々国に手を出せば白尾国に侵攻の意思がある可能性を指して2国に挟まれて動けなくなるようにしているとかなんとか言っていた気がする。
なるほど確かに協力体制が築かれているのをみれば他国への牽制になる。お互いに利がある友好国ゆえに今回の作戦に漕ぎ着けたのだろう。
「ちょっとちょっとNakamu〜俺のことも忘れないでよね〜？」
「ッ！？」
肩にぽん、と手を置かれて頭上から声がした。反射的に立ち上がろうとするが、身体に力が入らなくて焦る。ヒュ、と息をつまらせば、シャオロンさんがばし、と私の後ろの気配を殴った。
「痛ッ」
「らっだぁお前Aビビらすなって〜」
「いやだってこんなところにちょうどいい高さの子がいるのが悪いでしょ」
「お前……セクハラやぞ」
「そんなことないって〜……ね？」
少し仄暗い青い瞳が私を覗き込む。見覚えがあるとか云々以前に私はワンテンポ遅れて声を発した。
「び、」
「「「び？」」」
「ビビってませんけど！！！！？？」
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作者名：須戸 | 作成日時：2022年2月13日 20時
