【d!】縁を結んでⅡ【夢】 (ページ1)

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episode.2 紫雲の節ページ1

____幹部補佐として迎え入れられて数週間。当初説明されていたアレコレと共に、私はひたすらに知識と体力を付けさせられていた。

…人と競るなら他人を上回る知識量が必要やで。囲って追い込んで最後に穴に落としてやるんや、その為にも今以上に教養、身につけような。

…多様な状況に陥った時の対処法、マニュアルではありませんが参考にするためにいくつか学んでおくべきでしょう。過去から知識を得ることも重要です。

…戦う、逃げる、どちらにせよ必要なのは基礎体力。それがなきゃ何も始まらんし走り込みを増やしてトレーニングしよか。

…どうしても性差っちゅーもんは変えられんのや、ああ、差別的な意味のつもりはないねん気分悪くしたらすまんな。でも女性は女性なりのアドバンテージがある、そこも伸ばしてこか。

彼らの指摘と提案はなるほど確かにと納得する部分ばかりだが、なんだか言い方が私のためを思って……いや、それは流石に自意識過剰な気もする。だが私がやりたいことを行うには足りないことばかりだ。それを身につけさせてもらえるのなら甘えさせていただくとする。

体調の方も逐一しんぺい神さんに見てもらえていたことで、一時期点滴や病人食と変わりのない食生活をしていたが段々と家が没落する前まで摂っていた食事量まで戻すことが出来た。

一週間放置事件の前、つまりはここに運ばれる以前より路地裏、スラムのような場所で満足にご飯も食べれていなかったからその影響もあって食事を体が拒んで大変だったとだけ記しておく。

「Aさん、行けるん？」

「はい、ショッピさん」

そして現在、私はショッピさんの元で訓練をつけて貰っている。幹部補佐として仕事を覚える且つ、地力を付けるために１ヶ月毎にローテーションで幹部の補佐として就くのだがその一番最初がショッピさん、ということだ。

あの試験の際にGMとして見ていた彼には第三者から見ての体捌き、動き方、盤面の動かし方の指摘を沢山頂いた。そしてショッピさんの後に続く幹部の訓練のことも考えて体力伸ばしと受け流しの訓練を付けられている。

ショッピさんの隊が休日の際にはエーミールさんとオスマンさんに足りない知識や教養を詰め込んでもらう、というのがルーティンと化している。

……あまりにも目まぐるしい毎日だ。

うーん、と日々のことを考えて思わず目を回しかけた私にショッピさんが振り返る。

「せや、そろそろ“ 色彩(いろどり)の儀”の準備もせなあかんのやった」