【実況者】本当の名前_real name_ 上 (ページ41)

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#誤解ページ41

あれから数日、私とユーリはあの日が嘘のように元の関係値に戻っていた。

でも決してあの出来事を忘れた訳じゃない。

ちゃんと記憶に残ってる。

お互い触れないようにしてるだけだ。

ヨ「Aさん、もう大丈夫？」

リビングでまったりしていると、ヨモギちゃんに話しかけられる。

『うん、お陰様で。部屋来てくれてありがと』

ヨ「ちょっと話があって、2人になりたい」

『？…いいよ、バルコニー行こっか』

心当たりが無さすぎて少し不安を抱えながらも、私はヨモギちゃんとバルコニーに出た。

2人で秋の風を感じながら海を眺める。

『話ってなに？』

ヨ「あの、正直に答えて欲しいんだけど、Aさんってサツキくんのこと好き…？」

『へ、』

思いもよらない質問に間抜けな声が出てしまった。

『えっ、なんで？そう見えた？』

ヨ「この間の朝、2人で海行って遊んでたし、サツキくんに何の話してたのって聞いても教えてくれないし、」

この間の朝…2人で海…話の内容は教えられない……

…あー、あれか。

『2人で遊んでたっていうかたまたま会っちゃっただけなんだよね…話の内容は、今はちょっと言えないかな』

ヨ「…そっか」

ヨモギちゃんは少し悲しそうな顔をすると頭を俯かせた。

『あっ、でもでも、私は、サツキのこと好きじゃないから！そこ、安心して！』

そんな顔を見て私はすぐに弁明する。

ヨ「…本当？私、Aさんには嘘ついてほしくない」

『ほんとほんと。私も、好きな人いるから』

ヨ「えっ、そうなの、って……も？」

『ヨモギちゃん…サツキのことが好きなんでしょ？』

ヨ「え、なん、バレ…えっ？」

さっきまであんなに気分を落としていたのに、急に顔を上げたヨモギちゃんは真っ赤だった。

『あはは、やっぱそうなんだ』

ヨ「まっ、てまって、ぃ、いつから？気づいてた？」

『えー…覚えてないな』

ヨ「嘘でしょ…！？」

ヨモギちゃんは頬を両手で覆う。

『…ここ最近ずっと私がサツキのこと好きだって思ってたの？』

ヨ「…うん」

『ほんとにサツキは友達としてしか見てないから安心してね、ヨモギちゃんに誤解させたくないし』

ヨ「…うん、わかった。なんか変な誤解しちゃってごめんね」

『ううん、誤解させるようなことしちゃった私が悪いから』

どうやらヨモギちゃんの誤解は完全に解けたようだ。

良かった良かった。