#困惑 ページ38
階段を降りてリビングに向かうと、部屋着のみんながいた。
私の熱についてみんなそれぞれ心配してくれていたようだ。
申し訳ない。
みんなで揃ってご飯を食べる。
今はもう元気になったのだが一応体調不良だったため、私はお風呂に入るとすぐに部屋で寝るようユーリに促された。
いつも寝るのは遅い方なので、1番先に部屋に戻るのは新鮮で少しドキドキする。
それもあってかなかなか眠くならず、私はバルコニーに外の空気を吸いに行った。
『……はぁ、』
9月も後半になり、だいぶ風が涼しくなってきた。
目を閉じてしばらく風を感じていると、
？「A」
と後ろから話しかけられた。
その人は私の隣に並ぶ。
横目でちらっと見ると赤い襟足が見えた。
こんな奴1人しかいない。
『どうしたの』
キ「もう大丈夫なの？」
『うん。めっちゃ元気』
キ「そっか。なら良かった」
夕日に照らされるキヨの笑顔を見て、やっぱり好きだなと感じる。
キ「…何？俺の顔になんかついてる？」
『ううん、なんも』
キ「なに笑 今日A変だよ」
『ふふ、そうかな』
？「っぷし、」
突然聞こえたくしゃみに2人して振り返る。
そこには上着を羽織ったレトが立っていた。
『…レト
キ「レトさんどうしたの？寒い？」
キヨは小走りでレトのところに向かう。
『……』
レ「A、ユーリちゃんが呼んでる」
『…あ、おっけ。ありがと』
呼びに来てくれたレトにお礼だけして、私は自分の部屋に戻った。
部屋ではユーリがベッドに座って待っていた。
顔は俯いていて見えない。
なんか……暗くないか？
『ごめんごめん、どうしたの？』
ユ「…やっぱ、今言わなくちゃいけないなって思って。さっきの」
さっきの……
あぁ、ご飯食べる前のあれか。
『うん』
ユ「……はぁ、」
ユーリの声が……震えている。
まさかと思いしゃがんで顔をのぞき込むと、ユーリの目から涙が流れていた。
『へ、え、ユーリ！？ちょ、どーしたの、』
ユ「っごめん、あの、えっと、私……」
『…うん』
ユーリは私の服の裾を掴む。
ユ「……私、＿＿＿＿＿＿＿なんだ、」
『………え？』
嘘、でしょ…
私はしばらく何も言えずに固まってしまった。
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作者名：RIN | 作成日時：2022年8月6日 11時
