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#朝の海 ページ24

『う"……ん』




波の音が遠くから聞こえて目が覚める。


音が聞こえた方に目をやると、バルコニーに繋がる窓が少し開いていた。




『あっぶな、』




すぐに窓を閉めて鍵をかける。


時計を見ると3時。




『早すぎる…』




とはいえ1度起きたら中々寝れない体質のため、海に行ってみることにした。


まだ外は暗く、太陽も出てきていない。


私はスマホだけを持って、静かに扉を開け海へ向かう。


1ヶ月半も経つと随分この街も見慣れてきた。


海へ着く頃には空は少しだけ明るくなり始めていたが、案の定1人もいなかった。


誰もいない砂浜に座り、海を見つめる。


海が流れる音のみが聞こえるこの空間が、今自分にとって最も落ち着く場所だった。


すると急に視界が眩しくなる。


太陽が出てきたのだ。




『眩し』




何回か瞬きし、目が慣れた頃にもう1度海を見る。




『……!』




そこには、一面中キラキラと光る海があった。




『綺麗…』




思わず声が出てしまう。


ふと、この間うっしーが言っていた言葉を思い出した。




牛『…俺、朝の海が好きなんだよね』



牛『誰もいなくて何もない、綺麗な海。ずっと見てられる』




確かにこれはずっと見てられる…。




?「Aちゃーん」




誰かが私を呼ぶ声が後ろから聞こえた。


私のことをちゃん付けで呼ぶ男の人は1人しかいない。




『お、サツキ』




私は振り返りながら名前を呼んだ。




サ「どうしたの?こんな朝早く」



『起きちゃったから海見に来てた。サツキは?』



サ「俺はサーフィンしに来た。昨日もしてたんだよ」



『あ、そうだったんだ。できるの?』



サ「ちょっとなら。あ、いい機会だし見ててよ」



『いいよ』




サツキはサーフボードを持って海へ入っていく。


ゆらゆらと動く波の上にサーフボードを浮かべ、大きな波が来た瞬間にサーフボードの上に立った。




『うわすごい!』




私がそう言うと、サツキは満足したのかすぐにサーフボードから降り、ニコニコしながらこっちに戻ってきた。




『あれ、どうしたの』



サ「そういえば俺Aちゃんに聞きたいことあってさ」




笑顔のはずなのに何故かサツキからは少し圧が感じられる。




『え…?あー、ごめん私ちょっと…




すぐにこの場所から逃げようと腰を上げると、サツキは手で海の水をすくうと私の服に思いっきりかけた。




サ「待って」



『ふざけんなよ…笑』




捕まった…。

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作者名:RIN | 作成日時:2022年8月6日 11時

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