ワケあり少女3 (ページ31)

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第三十一話ページ31

私が抜け出せたのは、クリスマスだった。
ネオンが光って。
たくさんの人がいて。
何処かもわからない。
ただただ走って走って。

そして、リコさんに出会った。

ー貴方大丈夫？ー

誰もが知らないふりをしていたのに。
リコさんは私に手を差し伸べてくれた。
行くところもない、あいつらに見つかってもいけない。

リコさんはそんな私のことを真剣に考えてくれた。
私を、大切にしてくれた。

リコさんは、私の3人目の最愛の人。
私の全てを捧げても構わないと思える、3人目の人。

そこからだった。
リコさんは芸能会社に勤めていて。
私なら歌手になれると言い切ってオーディションに申し込み。

結果。
私の中に、YUYUが誕生した。

親の仕送りには手を付けず。
自分で生きることが唯一の私の反抗で。

私の中にあるYUYUはどんどん大きくなって行った。
それと同時に、あいつの存在も。

もし見つかったら。
そんな不安がどんどん大きくなって。
私は、美鷹に来た。

あいつから、逃げるために。