ワケあり少女3 (ページ30)

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第三十話ページ30

、、、否。
結果的には拉致されたけれど。
その時はされそうなだけだった。

たまたま通りかかったおじさんとおばさんが、私を護ろうと盾になったから。

ー早く行きなさい！！ー
ーAちゃん！逃げて！ー

そんな彼らを。
私の、最愛の人を。

彼は。
あいつは。
新庄慶はっ、、、！

『迷いもなく殺したのよっ！！！』
「「？！」」

目の前で朱が飛んだ。
私は救急車を呼ぼうとしたのに。
殴られて、気絶して。

車で拉致された。

それからは、思い出したくもない。
どこかもわからない倉庫へ連れて行かれて。
鉄パイプのベッド。
最低限の衣服。
それしかない部屋に私は監禁され続けた。

私にとっては半年にも、一年にも。
今までの人生のどの時間よりも長く感じられた。

私がなにされてたか。
わかるでしょう？

そうよ、その想像であってるわ。

私は犯された。

よくあるじゃない？
寸前で助けが来て、なんとかなったみたいなの。

そんなのなかった。
私だってあるなんて思ってなかった。
でもあの時だけは。
あの時だけは、そうなるんじゃないかって。
誰かに縋った。
名前も顔もわからない人に助けを求め続けた。

でも、結果は何も変わらなかった。