ワケあり少女3 (ページ29)

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第二十九話ページ29

中2の秋。
私はある人に呼びだされていた。

ー好きなんだ。ー

ぱっと見チャラチャラしてそうな人なのに。
そう思ったのを覚えてる。

別にその時は誰がどうとか関係なくそう言うのに興味がなくて。
片っ端から断ってた私は、彼の告白も断った。
でも。

それが、幸せの終わりを告げたんだと思う。

中3の春。
幸せで幸せで。
心地よい風さえもが私を支えてくれてる気がして。
私は知らなかったの。

あの時の彼、、、
そう。
新庄慶が、私を狙ってたなんて。

5月に入ったばかりの時。
私は誰かにつけられてる気がしてた。
ずっと。

でも、いつも同じ人がいる、なんてことはなかったし。
私をつけていいことなんてないと思ってたし。
知らない振りして。
気にしない振りして。

毎日を同じ様に過ごしてた。

そんなこんなで、中3の冬。
進路も決めなくちゃいけない。
おじさんとおばさんとたくさん話して、たくさん悩んで。
そんなことを繰り返してた頃。

私は、拉致された。