ワケあり少女3 (ページ28)

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第二十八話ページ28

私には親戚と呼べる人はいなくて。
私にとって、彼らは知らない人だった。
きっと彼らもほとんどそれに近かったはずなの。

彼らは、私の遠い遠い血縁者。
遠すぎて、親戚なんて呼べるものじゃない。

そんな、彼ら。
おじさんとおばさんは、わざわざ姫月の家まで来て。

ー私たちと暮らしましょう。ー

そう言ってくれた。
何故その時素直に着いて行ったのかなんてわからない。
でも。

確実にその選択は間違ってたの。

私は今まで通ってた通りに聖夜女学院に通い。
家に帰れば。

ーお帰りAちゃん！ー

おばさんが本当の家族の様に迎えてくれて。

幸せで。
人ってこんなにも暖かいのかって。
そう思って。

このまま私の人生が進むんだと信じて疑わなかった。

今ならわかる。

そんなのは、やっぱり幻想だったんだって。