小さくなったらサングラスのお兄さんに拾われた。

39話 ページ40

松田「お前…漆か…？」




『へ、』



志保「あら」



松田君の後ろにいるスコッチがニコっと笑い親指をグッとさせた。





緑川「志保さんいいかな」


志保「ええ…漆さん頑張って」


え




松田「……」


『その、久しぶり』


松田「嗚呼」


『……元気だった…？』


松田「…嗚呼
事件巻き込まれてたんだってな」


『…うん』

あ、表向きそうなってるんだ…

松田「少しでも頼ってほしかった」


『ごめん』


松田「漆…好きだ」


『前も言ったよね…私は…』



松田「何泣きそうな顔してんだ」



『っ…だって…』


松田「期待すんぞ」


『……』


松田「いいのかよ［あー…すんげぇ可愛い…］
抱きしめていいか
嫌なら抵抗しろよ」


『え、あ、』



ｷﾞｭｯと優しく松田君に抱きしめられた。


松田「……心臓、うるせぇな」


『……』


松田「抵抗しねぇのか？［なんでこんなに可愛いんだか…］」


『っ…』


そんなこと思われたら…



松田「耳まで真っ赤だな…可愛い…
なぁ…本当期待しちまうぞ［はぁ…本当可愛い］」


『わ、私は…死んだ彼を忘れられない
きっと、松田君と付き合っても
それほど彼が好きだ…から』


松田「…」


『中途半端の気持ちじゃ…ダメでしょ…
恋愛はとくに…』


松田「そうだな…」


『多分…松田君のこと…好きなんだと思う
けど、彼を忘れられないから
松田君とは…つン』


え、



松田君に無言で唇を塞がれた。




キス…され…た…？



松田「その好きだった奴を忘れろとは言わない
そうだとしても俺はお前が好きだ」




『っ…』


松田「ずっと変わらねぇよ





誰かを好きでいても俺の気持ちは」





【織田君はきっと、君の幸せを願っているんじゃないかな】


首相(ボス)はそう言っていた。


確かに、私は他人の幸せしか願ったことがない


自分は二の次だった。



『幸せになれるかな…』


松田「！！絶対幸せにする」


『そっか…』


私は松田君を抱きしめ返した。


松田「！？！……いいのかよ」


『なんでさっきまでグイグイ来てたのに
一気に弱気になるの…』


松田「……漆」


『うん？』


松田「好きだ」


『…知ってる』

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