三十行目 ページ30
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「みゆきちゃんさては楽しんでるでしょう」
「バレた」
「さとりちゃんと私ってそういうの超越した仲だと思ってるから今言ったの！」
「エエ！？」
私に向き合ってくれる、さとりちゃんの手を取った。「は……まって…そんな…」なんて情けない声を出すさとりちゃんはお構いなしだ。さとりちゃんはいつも、私の目を見て話してくれる。私が俯いていようが関係なく、目線を合わせてくれる。それで大抵、笑っていてくれる。だから、ずっとずっと感謝してきた。だから、どうか信じてほしい。
「私の友達になってくれてほんとうにありがとう」
私が与えられるものは数限りない。この人生であなたからもらったものと同じくらいのものを、私はきっと返しきれない。
不特定多数が掲げる常識の数々も、公衆の目も、無責任な人々の価値観も、どうか何にも囚われないでほしい。これから先もずっと。私は、さとりちゃんの楽園が失われることがないように願う。
あのね、私内緒にしとこうって思ってた将来のこととか、結局あっさり言えちゃった。言いたくなっちゃった。受かったあとじゃないと恥ずかしいって思ってたのに、さとりちゃんは全然そんなふうに思ってないんだもん。私がそう言ってたことも忘れたのか気にしてないのか、それとも風の噂で聞いたのか、当たり前みたいに話を聞いてくれる。だから言いたくなったし、さとりちゃんの将来だって知りたくなった。甘えているのは百も承知だ。私の知るどれだけ美しくて聞こえの良い言葉に置き換えるつもりもない。
言ってみたらこんなに呆気なくて、清々しくて、心地よかった。こんなに単純で、明快な理由で人と接してもいいんだなあってさとりちゃんから教わった。横たわる理由は一つだけ、ただの信頼だ。
「さとりちゃんがいなかったら、こうやってバレー部のみんなと関われなかったと思うの！友達もずっと少ないままだった！」
ずっと、今ある幸福は先の未来の不幸による前借りだと思っていた。私の願う幸せは借金みたいなもので、不安定なもので、ずっと続くものではなくて、幸せだと思うたび恐ろしかった。自惚れたらおしまいで、それが壊れないようにただ見ているだけだった私に、あなたはどれだけ幸福を呼び込んだことだろう。ここは紛れもなく楽園だ。
「私今、ほんとうに幸せなのよ」
これから先もずっと、あなたの笑顔が失われることがありませんように。
「だからありがとう！」
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あゆむ(プロフ) - 僕達はエンジェルさん» はじめましてー！小学生の頃から！？！すごい…拝啓シリーズも歴史ある作品になってきた気がしました、、笑この作品で若利を知っていただけて更に最推しだなんて嬉しいです！作者冥利に尽きます；；ありがとうございます！おかげさまで更新頑張れます！ (2020年9月16日 20時) (
レス) id: 67cd23fa6a (このIDを非表示/違反報告)
僕達はエンジェル(プロフ) - あゆむさん、はじめまして。小学生の頃から此方の作品を読ませていただいています。此方の作品こそ、私が若利くんを知ったきっかけなんです。今では推し。ハイキューの中では最推しとなってます。このシリーズ、大好きです。愛してます。応援してます！！ (2020年9月12日 23時) (レス) id: d588c749f9 (このIDを非表示/違反報告)
あゆむ(プロフ) - 白猫さん» はじめまして！！読んでくださってありがとうございます；；めちゃくちゃこだわって書いてきたのでそう言っていただけてほんとうに嬉しいです…；///；これからも更新頑張れます！ありがとうございます！ (2020年8月21日 23時) (レス) id: 67cd23fa6a (このIDを非表示/違反報告)
白猫(プロフ) - はじめまして。先日この小説に出会うことができ、ゆっくり噛みしめながら読ませて頂きました。書き方や表現の仕方が私の好みドストライクで本当に大好きな作品に出会えて嬉しいです(o^^o)これからも、あゆむさんの描く若利くん拝ませてください！ (2020年8月13日 7時) (レス) id: 82d1d6768d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あゆむ
| 作成日時：2020年7月31日 18時
