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私と会った時、あなたが覚えていればの話なのですが、たくさん聞かせてくださいね。





「大葉さん!!なんとか!なんとか模試!クリアしました!!」

そう五色くんが私の教室に飛び込んで来たのは五月下旬朝のこと。どうやら補習を免れて私の教室に駆け込んで来たようだった。せっかく思う存分に部活に出れるようになったのに、生憎テスト期間一週間前だったからちょっと可哀想だなあと思う。

「ほんと!?えらい!すごい!よかったね!数学できた?」
「なんとかできました!ノートも貸して頂いて本当に感謝してます」

ぺこぺこ頭を下げる五色くんにいえいえなんて言ってると、ふと頭をよぎったのが川西くんだった。補習対象者が発表されたなら川西くんも来ていいはずだ。まさか、とよくない考えが思考回路を進もうとした時、「大葉さんいらっしゃいますか」という声が小さく聴こえて来る。

「あー!川西くん!」
「ああっ、大葉さん。なんとか免れました。本当にありがとうございます。ご迷惑おかけしました」
「ううん、よかったね」
「五色、お前もか。よかったな」
「は、はい!」


彼らの報告を聞いた後、出会ったばかりの彼らと話す話題のネタなんてすごく少なくて、私が話し下手なのを知ってる二人は「牛島さんによろしくお伝えください」と言って帰って行った。やけに丁寧な敬語で少し面白い。二人の五月考査も良い結果になることを祈って、二人の後ろ姿を見送った。


今日は確か天童くんから勉強会に誘われている。五月考査まで近いし、張り切っていかなければ。





そういえば、五月考査が終わったら体育祭がすぐに来ると思っていたのですが、あなたが大きなことを成し遂げましたよね。私はこれも忘れられません。




「ヴッ…若利くんが…ユースゔ…」
「どうしてお前が泣くほど喜んでいるんだ…?」

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ゆに(プロフ) - あゆむさんの物語の書き方、構成、全部好きです!これからも更新頑張ってください。ずーっと応援しています!! (2019年1月5日 13時) (レス) id: 2609f34306 (このIDを非表示/違反報告)
ゆに(プロフ) - 覚編も合わせ全編読ませていただいています! (2019年1月5日 13時) (レス) id: 2609f34306 (このIDを非表示/違反報告)
梅星饅頭(プロフ) - ご、ご本が出るんですか!??これは買わないといけない……ア"ッ分かります需要と供給がまっったく一致していないですよね…つらい! 今年も一ページ目から一文字一文字若利くんの尊さを感じて新年迎えさせていただきます。お体に気を付けて あゆむさまもよいお年を! (2018年12月31日 23時) (レス) id: baf07f2d20 (このIDを非表示/違反報告)
くー(プロフ) - 本だァ“ァ“ァ“ァ”ァ“ァ”!!!めっちゃ楽しみにしてます!!!! (2018年12月23日 15時) (レス) id: 4b69e817ff (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - 本めちゃくちゃ欲しいです!!書籍化になるのを楽しみにしています。 (2018年12月23日 15時) (レス) id: 0e45367a12 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あゆむ | 作成日時:2017年12月28日 20時

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