十七行目 ページ17
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牛島若利と付き合っているのか？という尋問を数え切れないくらい繰り返してきた。私と彼女たちの攻防は終わらない。そう見られるのはすごく嬉しいけど付き合ってないと答えた瞬間の表情の切り替わり、「よかったね！」と声をかけてるのはたいへん微笑ましいし健気なことだが私はぜんぜーーーん良い気になれない。
なぜ今更になって私が彼との関係を全然知らない人たちに突きつけられ見直さなくてはならないのだろうか？もうわけがわからない。若利くんと名前で呼び合い始めたら劇的にこの尋問が増え、良い噂も悪い噂が私の耳にまで届くようになった。
私の人生における数少ないときめきの瞬間を勝手に捏造しないで！流石の私も末代まで祟っちゃいそう！むりだけど。
「付き合えば？」
「むり…」
「フォークダンスのペアまで申し込まれておまけに名前で呼ばれてるのは男女の中でもかのAちゃんたった一人なのにどうしてそこまで弱気なの〜？？？というか逆に強気…？もう牛島は誰にも絶対に取られないと思ってる…？」
「そんなんじゃないし…」
「恋から与えられる優越感は健気で可愛いAちゃんを罪な女に変えてしまうの？もう牛島を殺すっきゃないな」
「もーなんてこというのみゆきちゃあーーーん助けて。おちおち教室の外に出られないの」
確かに私は今の若利くんに自惚れている。こんな恋は初めてだ。
今まで恋はしたことがあったけれど付き合ったことなんて一度もない。若利くんはあの様子じゃめちゃくちゃにモテつつ周りの女子を天然という最強核爆弾で見事に爆破してきたんだろうな…と思う。
「あんたたちが付き合ったら噂も何もかも一掃してあげるね」
「こわいみゆきちゃん…でもそれは今にして」
「嫌。うっとおしいもん。好きなら付き合いなよ。可哀想だもん」
「若利くんは私のこと好きって前提で話進めてるけどそんなことってありえる…？」
「はいはい一生悩んでな！」
歩を進める速度はあまりにも遅くて周囲には適当な科白を並べながら二人そろって怠惰にこれからも歩いていければいいのに。恐ろしいから何も言わずとも気持ちが通じあったりすればいいのに。神さまから祝福を受けているであろうあの人は空を飛べるからどうしても私より先をいってしまう。空を泳ぐことはできない。
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ゆに(プロフ) - あゆむさんの物語の書き方、構成、全部好きです！これからも更新頑張ってください。ずーっと応援しています！！ (2019年1月5日 13時) (
レス) id: 2609f34306 (このIDを非表示/違反報告)
ゆに(プロフ) - 覚編も合わせ全編読ませていただいています！ (2019年1月5日 13時) (レス) id: 2609f34306 (このIDを非表示/違反報告)
梅星饅頭(プロフ) - ご、ご本が出るんですか！？？これは買わないといけない……ア"ッ分かります需要と供給がまっったく一致していないですよね…つらい！ 今年も一ページ目から一文字一文字若利くんの尊さを感じて新年迎えさせていただきます。お体に気を付けて あゆむさまもよいお年を！ (2018年12月31日 23時) (レス) id: baf07f2d20 (このIDを非表示/違反報告)
くー(プロフ) - 本だァ“ァ“ァ“ァ”ァ“ァ”！！！めっちゃ楽しみにしてます！！！！ (2018年12月23日 15時) (レス) id: 4b69e817ff (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - 本めちゃくちゃ欲しいです！！書籍化になるのを楽しみにしています。 (2018年12月23日 15時) (レス) id: 0e45367a12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あゆむ
| 作成日時：2017年12月28日 20時
