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十一行目 ページ11

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「うううん!!!そう…そうだね!!普通に好きだな!!!楽しいから!!」
「…そうだな。俺も好きだ」

私の動揺なんて全然意に介していないような若利くんが、なんの意図もなくからからと笑う。





最近木兎選手に熱愛報道出てましたけど、あれって嘘なんですよね?知り合いが言ってました。相手は髪の長いモデルさんらしいですけど、そういえばあなたは未だにあの頃の私くらいの髪の長さが好きなんですか?





若利くんが「さて、帰るか」と言って一分くらい経った。彼はその間ずっと私の三つ編みを片手で弄っているのである。何してるの?なんて不毛な質問は出来ないし、私はただ只管虚空を見つめこの状況に耐えている。もうそろそろ声を掛けてもいい頃では、と話題を模索した。

「わ…かとしくんは、髪の長さはどんなのがタイプ?」
「どんなの、とはなんだ」
「ショート?ロング?」
「ああ…」

彼は腑に落ちたような顔をすると、目を細めて緩く口角を上げると、私の三つ編みを持って「このくらいが好きだ」と呟いた。その仕草に私の心にある発狂メーターは振り切りそうになったがなんとか耐える。こんな質問したことなかったし、胸が高鳴って、さらに調子に乗って質問を重ねる。

「じゃあ好きな髪型は?」
「三つ編みが好きだ。こういう」

不意に彼と目があった。それだけで息を呑んで目の前で起こった現実に頭を抱えた。発狂メーターなんてとうの昔にぶっ壊れて跡形もない。こうなると焦ってる場合じゃなくなる。懸命に彼の一挙手一投足に目を見張ってなければ今からでも膝から崩れ落ちそうだ。彼の瞳から目が離せない。

何秒見つめ合えば気がすむんだろうか、彼は目線を外したら負けだとでも思ってるのかな、そうだとしたらかわいい。だけど今日の若利くんはなんだか違う気がする。

そっと頬に添えられた左手に思いがけずびくりと震えて目線が外れた。そのとき「A」と呼び止められて、否が応でも彼の方へ向く。若利くんの唇が少し震えていたような気がしたから、何の考えもなしに「どうしたの?」と尋ねてしまった。

今度は若利くんの方がびくりと震えて俯いて、私の方から質問したっていうのに動揺する。
「すまない、待て、俺は…」
心なしか声が震えている若利くんに更に質問を投げかけてみるも、「ためだ、今は喋るな」と口を手で塞がれる。

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ゆに(プロフ) - あゆむさんの物語の書き方、構成、全部好きです!これからも更新頑張ってください。ずーっと応援しています!! (2019年1月5日 13時) (レス) id: 2609f34306 (このIDを非表示/違反報告)
ゆに(プロフ) - 覚編も合わせ全編読ませていただいています! (2019年1月5日 13時) (レス) id: 2609f34306 (このIDを非表示/違反報告)
梅星饅頭(プロフ) - ご、ご本が出るんですか!??これは買わないといけない……ア"ッ分かります需要と供給がまっったく一致していないですよね…つらい! 今年も一ページ目から一文字一文字若利くんの尊さを感じて新年迎えさせていただきます。お体に気を付けて あゆむさまもよいお年を! (2018年12月31日 23時) (レス) id: baf07f2d20 (このIDを非表示/違反報告)
くー(プロフ) - 本だァ“ァ“ァ“ァ”ァ“ァ”!!!めっちゃ楽しみにしてます!!!! (2018年12月23日 15時) (レス) id: 4b69e817ff (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - 本めちゃくちゃ欲しいです!!書籍化になるのを楽しみにしています。 (2018年12月23日 15時) (レス) id: 0e45367a12 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あゆむ | 作成日時:2017年12月28日 20時

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