五行目 ページ5
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「あれ俺来年やるんですか？」
「私も女子の騎馬戦やりたくないです」
「大丈夫大丈夫みんなやれと言われたらやるっきゃなくなるから大丈夫」
私は何度もこんなようなことを経験した。やるっきゃなくなる時はやるしかないのだ。競技責任者四人でグラウンドの校舎側中央に集まり、選手たち、審判たちの様子を伺い、判断を下す役割もしている。
後輩たちにいっちょまえな態度をとる私だが、ここにいる誰よりも不安に駆られていると思う。
「先輩これから人を殺しに行くような顔してますよやめてください」
「眉間にしわ寄せすぎです」
「そんなことないよ！」
牛島くんがもしも万が一怪我をしたらどうしよう、という不安で頭が一杯だ。緊張で私が吐きそうだ。もしそんなことになったらルールを作ることをもっと細部に至ってやれば、いや細部に至ってやったはずなのだが自分を悔やむし、涙が溢れそうになる、何があってもそんな自体を見たくない。想像したくもない。そんな場面に遭遇した時の自分の反応がまるで予想がつかなかった。
「最初青対赤ですね〜〜」
「うん…」
「先輩顔」
審判が合図をかけて一斉にスタートする棒倒し、走る男子と守備を固める男子に分かれて競技が始まる。牛島くんは棒を支えている。怪我が怖い。双眼鏡で彼らの動向をずっと見ていたい気分になる。
「先輩ってほんと牛島さん関連だと感情がモロに表に出ますよね」
「そんなことないよ」
「ありますって。競技に私情持ち込んじゃ駄目ですよ〜」
「持ち込んでないもん」
「さっきから牛島さんのことしかみてないじゃないですか！」
「まって、」
「どうしました？」
「牛島くん、怪我した」
「えっ！？こっから見えたんですか？！すげえ愛の力ですか？」
「冗談言ってないの、」
頭の中が酷く覚めて真っ白になっていく感覚。どうしよう、どうしよう、絶対怪我をした。彼が人に埋もれてったところと彼の右腕が確かにひっかかれたのを、私はみた、みた、みた、間違いじゃない。
三回戦目の試合が迫る。他の怪我人もいるようで、すごく大きな怪我はないようだが先生たちが駆け寄っていった人もいるくらいだ、安心は出来ない、なんにも。
場所移動の時に案の定、彼が人ごみを掻き分けて外に出てきて、その右腕が露わになった時、他のどんな出来事よりも血の気が引いていくような気がした。
すこしまえにでる。
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ぽもん(プロフ) - 主人公ちゃんがインフルになった出来事の電話のところで思わず泣いてしまいました。作者様の語彙力にも毎回驚いています。続編も読むのが楽しみです。 (2017年10月27日 14時) (
レス) id: 28958b8036 (このIDを非表示/違反報告)
あゆむ(プロフ) - 小粒納豆さん» 小粒納豆さーん！！私の世界観…！すごい響きですね…一年という時間が経つのは早いものですね！彼を好きになって良かったなあと切実に思います…私はこれからも文字量産おばけとして頑張ります！ありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (2017年1月4日 1時) (レス) id: ca84e134e0 (このIDを非表示/違反報告)
あゆむ(プロフ) - モロモロさん» ありがとうございます！何度も読むと味が出る作品でありますように笑 沢山伏線を巡らせたはずなので探してみてください笑 (2017年1月4日 1時) (レス) id: ca84e134e0 (このIDを非表示/違反報告)
あゆむ(プロフ) - セイラさん» はああさぞかし長かったことでしょう…ありがとうございます…！私も書いているとどんどん若利のことが好きになります！私も勉強しなくては、と思います笑 中々上手くいかなくても努力は大切ですよね…！；；更新頑張ります！ (2017年1月4日 1時) (レス) id: ca84e134e0 (このIDを非表示/違反報告)
あゆむ(プロフ) - 甘奈さん» 本の生産を考えると赤字すぎて震え上がるので笑 そりゃあ濁しますよ！濁しまくりです！悶々としながら作品を読んでください！笑 ありがとうございます！ (2017年1月4日 1時) (レス) id: ca84e134e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あゆむ
| 作成日時：2016年11月6日 18時
