三十行目 ページ30
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「復活した！！復活したよ！！」
「A！！」
あの日の電話の後、春人に「俺は見てはいけないものを見てしまった…姉ちゃんが乙女の顔だった無理…」など項垂られたりし、散々恥ずかしい思いをした。そうして私は言われた通りきちんと安静に、一日一日を過ごし、なんとか復活を果たしたわけだ。
「会いたかったよ〜毎日自撮り送ってもらいたいレベルだった〜」
「それは嫌かな」
えへえへと笑いながら席に着く。満面の笑みのみゆきちゃんはなんとも愛らしかった、私が見ていたテレビの中に出てくる人間よりも、ずっと可愛らしく思えた。
「大葉」
肩に置かれた手と、声で瞬時にわかる。牛島くんだ！とまるで、おもちゃをもらう直前の五歳児みたいな、「はい！」晴れ晴れとした返事をしながら振り返った。
「本当だ」
その時、肩に置かれた手の人差し指が伸びて、私の頬にぶつかる。頬をツンと押される。
「大葉は俺が呼ぶとすぐに振り返るな」
ふふ、と声が聞こえてきたわけではないけれど、それは効果音のようだった。柔らかく持ち上げられた頬と、少しだけ上がった口角。目元が少し綻んでいる。私にとって、それは牛島くんの百点満点の笑顔だった。
その顔にうっとりして、なんて可愛らしいんだろうと思っていたせいで、ほっぺツンというシチュエーションの素晴しさが掻き消されてしまうほとだったが、身体は正直にそのシチュエーションに喜んでいた。彼が触れている部分が自我を持つようにあったまっていくのがわかった。
「う、うん！振り返る！振り返るよ！」
「Aのこういうアホなところ大好き〜！」
「大葉はアホじゃないぞ」
あなたの前ではアホでいいや、なんて思うのは私の性だ。
「大葉、具合はもういいのか？」
「うん、大丈夫だよ、ばっちりだよ！」
「そうか、よかったな」
目があったと思うと、彼は私の頭に手を伸ばして、ぽんぽんとたたいた。ぽんぽんされた、頭をぽんぽんされたのだ！
彼の手は、私の頭を包み込めるんじゃないかと思うくらいに大きく、手のひらの皮膚は固く、少し傷があるけれど、日々の手入れですべすべしている。爪は丁寧に切られていて、深爪までとはいかない、バレーに適した手をしている。
私はその手が大好きだ。
「ほら、牛島」
「ああそうだ、お前に渡したい物がある」
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ぽもん(プロフ) - 主人公ちゃんがインフルになった出来事の電話のところで思わず泣いてしまいました。作者様の語彙力にも毎回驚いています。続編も読むのが楽しみです。 (2017年10月27日 14時) (
レス) id: 28958b8036 (このIDを非表示/違反報告)
あゆむ(プロフ) - 小粒納豆さん» 小粒納豆さーん！！私の世界観…！すごい響きですね…一年という時間が経つのは早いものですね！彼を好きになって良かったなあと切実に思います…私はこれからも文字量産おばけとして頑張ります！ありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (2017年1月4日 1時) (レス) id: ca84e134e0 (このIDを非表示/違反報告)
あゆむ(プロフ) - モロモロさん» ありがとうございます！何度も読むと味が出る作品でありますように笑 沢山伏線を巡らせたはずなので探してみてください笑 (2017年1月4日 1時) (レス) id: ca84e134e0 (このIDを非表示/違反報告)
あゆむ(プロフ) - セイラさん» はああさぞかし長かったことでしょう…ありがとうございます…！私も書いているとどんどん若利のことが好きになります！私も勉強しなくては、と思います笑 中々上手くいかなくても努力は大切ですよね…！；；更新頑張ります！ (2017年1月4日 1時) (レス) id: ca84e134e0 (このIDを非表示/違反報告)
あゆむ(プロフ) - 甘奈さん» 本の生産を考えると赤字すぎて震え上がるので笑 そりゃあ濁しますよ！濁しまくりです！悶々としながら作品を読んでください！笑 ありがとうございます！ (2017年1月4日 1時) (レス) id: ca84e134e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あゆむ
| 作成日時：2016年11月6日 18時
