二十七行目 ページ27
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「ヒェッわあああああ牛島くっ！？！がああ！！？！？！」
「ウワアアアアアアアアアアア！？！？！何！？なんだよ！？牛島さんが何！？！」
アイフォンを耳から離し奇声をあげた反動でアイフォンが空を舞い春人の顔面に着地、私の声に驚いた春人がこれまたがばっと起き上がって「何の騒ぎだよ！」と怒鳴る。お母さんがこっちに来ませんように。
「う、うしゅじまくんからで、んわがっかかってきた、しぬかもしれない」
「落ち着けよ呂律回らなさ過ぎだろ」
「ま、まってまってむり、声ガラガラだし代わりにあんた出て」
「いや姉ちゃんのためにかけてきたんだから姉ちゃん以外だと怒るだろ牛島さんが」
「ど、どうしよう、わ、わ、むり…出れない」
「いいから」
強引にアイフォンを押し付けられ、それを耳に当てると、『大葉？』と怪訝そうな彼の声の声がする。緊張で黙っていると『おーば？』と少し伸ばしたような声が聞こえて来た。その声でずっと私の名前を呼んでいてほしい。
「お、お、お電話変わりました…」
『俺は元からお前にかけたんだが』
見知らぬ電話番号、ということはこれは牛島くんの電話番号の可能性が非常に高く、彼がわざわざこの昼休みに自分の携帯で電話をかけてくれた可能性もまた、非常に高い。
「どうやって、電話番号、しったの？」
『黒川から聞いたんだ。勝手に聞いてしまった、すまない』
「ううん、あの、いいのだけれど、どう、して、かけてきてくれたの？」
『お前が今頃手っ取り早く覚えられる世界史の教科書でも読んでるんじゃないかと思った』
「…」
『図星か』
『はは、』という笑い声が聞こえる。彼のものだ。ああ、その顔を、その声を、間近で見たかった、聞きたかった。
『安静にしてろと言ったんだが』
笑い声は優しかったのに、次の言葉はどんと重く、私にのしかかってくるようだった。その重圧に「…はい…」と俯かずにはいられない。
『どうして、勉強しているんだ？』
「はい…その…えっとですね…誠に…」
「姉ちゃん取引先とでも話してんのかよ」
『焦るな』
彼の言葉にハッとするかの如く、思わず前を向いてしまった。その言葉に、背筋が真っ直ぐ伸びて、意識が明確になる。
『焦って良いことはない。無理をするよりも、安静にしてしっかりと病気を治す方が正攻法だ。それ以外に近道はない』
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ぽもん(プロフ) - 主人公ちゃんがインフルになった出来事の電話のところで思わず泣いてしまいました。作者様の語彙力にも毎回驚いています。続編も読むのが楽しみです。 (2017年10月27日 14時) (
レス) id: 28958b8036 (このIDを非表示/違反報告)
あゆむ(プロフ) - 小粒納豆さん» 小粒納豆さーん！！私の世界観…！すごい響きですね…一年という時間が経つのは早いものですね！彼を好きになって良かったなあと切実に思います…私はこれからも文字量産おばけとして頑張ります！ありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (2017年1月4日 1時) (レス) id: ca84e134e0 (このIDを非表示/違反報告)
あゆむ(プロフ) - モロモロさん» ありがとうございます！何度も読むと味が出る作品でありますように笑 沢山伏線を巡らせたはずなので探してみてください笑 (2017年1月4日 1時) (レス) id: ca84e134e0 (このIDを非表示/違反報告)
あゆむ(プロフ) - セイラさん» はああさぞかし長かったことでしょう…ありがとうございます…！私も書いているとどんどん若利のことが好きになります！私も勉強しなくては、と思います笑 中々上手くいかなくても努力は大切ですよね…！；；更新頑張ります！ (2017年1月4日 1時) (レス) id: ca84e134e0 (このIDを非表示/違反報告)
あゆむ(プロフ) - 甘奈さん» 本の生産を考えると赤字すぎて震え上がるので笑 そりゃあ濁しますよ！濁しまくりです！悶々としながら作品を読んでください！笑 ありがとうございます！ (2017年1月4日 1時) (レス) id: ca84e134e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あゆむ
| 作成日時：2016年11月6日 18時
