俺が口にしたことは………

9話 ページ10

【夢主】

…なんで家が燃えてるの？

…なんで母さんと父さんは殺されたの？

…あぁ俺のせいか。俺が言葉を発したから。
俺が喋ったから。

…いくら俺でも死んだ人は戻せない
死んだ人には使えない



だったとしても

『戻って来てくれよ…う、ぅああああああああごめんなさいごめんなさいもう何も喋らないから！もうあんな事言わないから！お願いだからもどってぎでえええええええ』









───
なんだ…夢か…
最近見てなかったあの夢

両親を亡くしたあの日
俺は初めて自分の能力がどれだけ恐ろしいものか身を持って体験した

確か中学生で反抗期だった
それでつい言ってしまった
話してしまった
喋ってしまった

「喋るな」

そう言われていたのに
あの時は必死だったとか、反抗期だからとか関係ない

俺がいくら叫んでも死んだ人は戻ってこないし、戻せない

それからマフィアに拾われて
気づいたら、学校もやめて人を殺していた

恩人だと思っていたマフィアも俺の能力を知ると俺の体を気にせず使いまくった。おかげで体は傷だらけ、お嫁に行けなかったらどーしてくれるんだ。まったく


いい加減に耐えきれなくなった俺はそのマフィアを潰した
簡単だった

たった一言









『潰れろ』

そう言うだけで終わるから

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