9.？？ ページ21
エクボside
俺様は、人間の体を手に入れた。
律ちゃんや茂夫みたいに、力がなくて、コントロールしやすい人間。
手が動く。足も動く。
便利だ。
だが目の前が驚くほど真っ暗だ。
茂夫たちがいない。
「…ごめんなさい、たいようちゃん、
たいようちゃん、たいようちゃんっ…」
小さい子供がうずくまって何か命乞いをするみたいに泣いている。
「おい」
俺が呼ぶとそいつの肩がびくりと動く。
「だれ、？」
振り向いて驚いた。
「…嬢ちゃんじゃねぇか。」
そいつは正真正銘、小さい【嬢ちゃん】だったのだ。
「はぁ、、大丈夫か、嬢ちゃん、
俺様はエクボだ、わかるか？」
「えくぼ？」
きょとんと彼女はこちらを見つめる。
俺様のこと、わかんねぇのか。
「…えくぼは、私のこと責めない？」
泣きそうな目はしっかり俺様を捉えている。
「責めないと思うけどなァ？」
「ほんと？」
すると嬢ちゃんは真っ暗な瞳で俺を見つめた。
「わたしが、ひとをころしたとしても？」
「…は？」
予想をしていなかった言葉に、返答に困る。
刹那、急に嬢ちゃんがいつもの大きさに戻っている。
「ぅ、私、？
なに、私、何したの？思い出せない、思い出せない思い出せないの！！！」
そう言いながら頭を抱えて叫ぶ嬢ちゃんの背中をさすると顔を上げた嬢ちゃんは「あっ…ほっぺ、赤い…エクボ？」とすこし安定した様子で首を傾げた。
「そうだぜ、俺様はエクボだぜ。」
俺様がそう言うと嬢ちゃんは泣いた。
「エクボっ、えくぼぉ…
私、恐いんだ。
昔の記憶の一部が、すっからかんで、
それが、とっても恐ろしいものの気がして。」
そう言ってボロボロ泣く嬢ちゃんをぽすりと胸元に抱き寄せる。
「…俺様にはよく分からないが…
きっとお前は怖い夢でも見てんだよ。」
俺様がそう言うと、
「そっか、これは夢なのかぁ」と言って嬢ちゃんは涙を流す。
「辛かったな。」
嬢ちゃんの子供のような体温が伝わる。
ここはどこなのだろう。
そんなことはどうでもよくなるくらい、
弱々しい嬢ちゃんのことが心配だった。
ーーーー
「…はっ」
気づけばさっき見た建物が目の前に広がっていた。
「エクボどうしたの？」
「戦闘中にいきなり寝るんじゃないよ。」
なんて周りから注意を受ける。
「ああ、すまんすまん。」
俺は、寝落ちしてたのか。
チッ、こんな時に。俺様らしくねぇ。
それにしても、今のは、ただの夢なのか？
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いお(プロフ) - めっちゃ面白いです！ (2020年4月20日 14時) (
レス) id: 2c0f895578 (このIDを非表示/違反報告)
もちぷにゃ(プロフ) - くるみさん» 前の作品から見てくださってありがとうございます！！！進度は遅いですが、まったりと気ままに見ていってください！！ (2019年3月20日 1時) (レス) id: 60b6080b83 (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - リメイク版嬉しいです！過去の小説何回も読み返して、更新はもうないかなぁって諦めかけてたので....... (2019年3月18日 23時) (レス) id: 31bc7fd2ed (このIDを非表示/違反報告)
もちぷにゃ(プロフ) - ブラピさん» 嬉しいです！！どんどん更新できるよう頑張ります！ (2019年3月17日 18時) (レス) id: 3f692da79e (このIDを非表示/違反報告)
ブラピ - 小説とても面白くて大好きです！更新頑張って下さい！ (2019年3月17日 11時) (レス) id: e896eb0a17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もちぷにゃ | 作成日時：2019年3月9日 19時
