狐とお叱り ページ26
乱歩「__ちょーすごかった!」
福沢「…怪我は無いか」
ん?なんか、福沢君から負のオーラ?みたいなのが滲み出ている気が…
乱歩「いやあ想像以上だった!
最高に最高だったよ!Aまで来るのは意外だったけど、まあ間に合うのは僕の計算通りだったね、お陰で黒幕を__」
福沢「ふざけるな!!」
乱歩の顔を強烈な平手が
破裂するような甲高い音が響く。眼鏡が吹き飛んだ。
驚いた僕は反射的に耳を塞いだ
福沢「何が計算通りだ!何が間に合っただ!俺が飛び込んだ時、お前の目の前にあったものは何だ?_銃口だろうが!」
乱歩「__あ」
乱歩は衝撃で半回転したまま固まっている
福沢「この世に絶対など無い!
俺たちが気づくのが一秒でも遅れてたら、この場所へ辿り着くのが一秒でも遅れていたら、俺がA殿と合っていなかったら!
お前は撃ち殺されていたかも知れぬのだぞ!」
乱歩「だ_だってそれは、絶対に__来てくれると」
福沢「違う、お前は自分の力を証明したかっただけだ!
力を誇示するのは構わん、頭脳で難敵に挑むのもいい!だがその勝負の賭け金に自分の命を乗せるのだけは止めろ!お前はまだ___」
福沢は考える
何故自分がこんなにも怒鳴っているのか。
何故自分がこんなにも必死になっているのか。
何故__。
福沢「お前はまだ___子供なのだぞ!!」
何故この子を一人にしてしまったのだ。
何故共に行動してやれなかったのだ。
乱歩はこんなにも_幼く、弱い人間なのに_。
乱歩「う__あ、ぅ_」
見開かれた大きな目が揺れ、みるみる涙が宿る
福沢君はやり過ぎた、という表情で顔を歪める
乱歩「だって、だって_」
乱歩は俯いて震えた。床に大粒の涙が落ちる
福沢は息を吐いた
両親失い、誰にも理解されず凍える孤独を歩んできた天才少年。
守るものもなく広大な世界に放り出された子供。
福沢は頭をぽんぽんと、二度撫でてやった
乱歩は福沢の胴体にしがみつき、涙をぽろぽろと零す
乱歩「ごめんなさい__ごめんなさい
_ごめん、なさい__!」
福沢君は手を宙に浮かせ、困ったように此方を見た
_僕は、その様子をただじっと見ていた。
“子を守る親”という言葉がしっくりくる光景だ
__嘗ての僕達のような。
『とにかく…お疲れ様。二人とも』
Aは笑顔で激励した。
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R−アル−(プロフ) - ・・・・最ッッ高・・・・・ 此れはヤバい、語彙力が逝く・・・!! (2020年5月15日 11時) (レス) id: 5c454f868c (このIDを非表示/違反報告)
R−アル−(プロフ) - 一気読みして来ました、最ッッ高でした!!続き楽しみにしてます! (2020年5月13日 2時) (レス) id: 5c454f868c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:闇月 x他1人 | 作成日時:2020年4月25日 2時