検索窓
今日:3 hit、昨日:1 hit、合計:36,162 hit

狐とお叱り ページ26

乱歩「__ちょーすごかった!」


福沢「…怪我は無いか」






ん?なんか、福沢君から負のオーラ?みたいなのが滲み出ている気が…



乱歩「いやあ想像以上だった!
最高に最高だったよ!Aまで来るのは意外だったけど、まあ間に合うのは僕の計算通りだったね、お陰で黒幕を__」





福沢「ふざけるな!!」





乱歩の顔を強烈な平手が()った

破裂するような甲高い音が響く。眼鏡が吹き飛んだ。



驚いた僕は反射的に耳を塞いだ


福沢「何が計算通りだ!何が間に合っただ!俺が飛び込んだ時、お前の目の前にあったものは何だ?_銃口だろうが!」




乱歩「__あ」


乱歩は衝撃で半回転したまま固まっている

()たれた頬に真っ赤な跡が浮き上がっている




福沢「この世に絶対など無い!
俺たちが気づくのが一秒でも遅れてたら、この場所へ辿り着くのが一秒でも遅れていたら、俺がA殿と合っていなかったら!

お前は撃ち殺されていたかも知れぬのだぞ!」




乱歩「だ_だってそれは、絶対に__来てくれると」



福沢「違う、お前は自分の力を証明したかっただけだ!
力を誇示するのは構わん、頭脳で難敵に挑むのもいい!だがその勝負の賭け金に自分の命を乗せるのだけは止めろ!お前はまだ___」



福沢は考える

何故自分がこんなにも怒鳴っているのか。
何故自分がこんなにも必死になっているのか。
何故__。




福沢「お前はまだ___子供なのだぞ!!」




何故この子を一人にしてしまったのだ。
何故共に行動してやれなかったのだ。

乱歩はこんなにも_幼く、弱い人間なのに_。





乱歩「う__あ、ぅ_」


見開かれた大きな目が揺れ、みるみる涙が宿る



福沢君はやり過ぎた、という表情で顔を歪める



乱歩「だって、だって_」


乱歩は俯いて震えた。床に大粒の涙が落ちる



福沢は息を吐いた



両親失い、誰にも理解されず凍える孤独を歩んできた天才少年。
守るものもなく広大な世界に放り出された子供。


福沢は頭をぽんぽんと、二度撫でてやった

乱歩は福沢の胴体にしがみつき、涙をぽろぽろと零す




乱歩「ごめんなさい__ごめんなさい

_ごめん、なさい__!」



福沢君は手を宙に浮かせ、困ったように此方を見た



_僕は、その様子をただじっと見ていた。



“子を守る親”という言葉がしっくりくる光景だ



__嘗ての僕達のような。





『とにかく…お疲れ様。二人とも』


Aは笑顔で激励した。

狐とその後→←狐と怒り



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (17 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
108人がお気に入り
設定タグ:文スト , 鬼灯の冷徹 ,
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

R−アル−(プロフ) - ・・・・最ッッ高・・・・・ 此れはヤバい、語彙力が逝く・・・!! (2020年5月15日 11時) (レス) id: 5c454f868c (このIDを非表示/違反報告)
R−アル−(プロフ) - 一気読みして来ました、最ッッ高でした!!続き楽しみにしてます! (2020年5月13日 2時) (レス) id: 5c454f868c (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:闇月 x他1人 | 作成日時:2020年4月25日 2時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。