狐と純粋な疑問 ページ12
『どうしたんだい、少年』
少年「僕は乱歩!江戸川乱歩だよ」
『そうか、江戸川君か』
ぷんすかと膨れっ面で名乗る少年は、僕の返答に対してムスッと更に顔を顰めた
乱歩「僕は乱歩!
名字に君付けなんて長いし、何かやだ!」
『はいはい、乱歩君』
面倒くさそうに云えば、満足したようで、
「そうそう、やれば出来るじゃんか!」と嬉しそうにしていた
…なんか、月夜みたい。
『ところで乱歩君、アレ見ててなんとも思わないの?』
乱歩「アレ?ああ、あの殺し屋さんは別におじさんを殺そうとしてる訳じゃないし、おじさんもその程度で死ぬような人じゃないからね!
__そんな事よりもさ。
僕はお姉さんの方が気になるなぁ!」
…すんごいキラキラした目で云われた
なんか、純粋なのに圧が(汗)
というかこの子…綺麗な緑の眼だなぁ
『僕?そうだなぁ…
観察眼の凄い君には、僕はどう見えるんだい?』
乱歩「…質問を質問で返さないでよ。
んーとねぇ
お姉さんはあのおじさんより多分だけど強いんじゃないかな?
それと__
お姉さんってひょっとして、すっごい長生きしてたりしない?」
『__!』
驚いた。
人間にここまで驚かされたのは、何百年ぶりだろうか
『んふふ…どうしてそんなこと思うんだい?』
思わず作り笑いじゃない、本当の笑い声が漏れてしまったじゃあないか!
乱歩「だってお姉さん、おじさんの威圧?みたいなのの前でも平然としてるから。よっぽど慣れてたり、それ以上の強さがないと笑ったままあれ受けるなんて出来ないでしょ」
あー。
そういえば入ってきたとき、確かに凄い殺気を向けられたね!
『じゃあもう一つは?』
乱歩「動きだよ!
言葉遣いとかは現代の”其れ”だけど、歩き方とか、仕草の節々に昔の人の動きが混ざってる。
…貴方のそれは、もっと長い着物を着た人の動きだもの。それこそ十二単みたいな!」
…バレてら。
『ふふっ…あははは!!』
乱歩「あってるでしょ?」
『ああ、大正解だよ少年!あってるとも!』
そう。
あの頃の僕は、もっと長い着物を着ていた
自分の社に住んで居たからね
十二単ほど分厚くはないけど、長さはその位か
乱歩君と出会ったときの服は、所謂お出掛け用の外着というやつだ
まさか自分より何百年も幼い少年に見抜かれるとは思ってなかったよ、流石にねぇ!
乱歩「少年じゃないってば!僕は乱歩!」
『はいはい』
乱歩「はいはい、じゃない!」
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R−アル−(プロフ) - ・・・・最ッッ高・・・・・ 此れはヤバい、語彙力が逝く・・・!! (2020年5月15日 11時) (レス) id: 5c454f868c (このIDを非表示/違反報告)
R−アル−(プロフ) - 一気読みして来ました、最ッッ高でした!!続き楽しみにしてます! (2020年5月13日 2時) (レス) id: 5c454f868c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:闇月 x他1人 | 作成日時:2020年4月25日 2時