私の彼氏 1 ページ7
-your side-
『...A、料理上手いよな。』
「そう？ありがとう。良かった、喜んでもらえて」
『いいお嫁さんになれるんやない？』
「大吾だって作れるよ(笑)そんな難しいメニューじゃないから」
彼氏である大吾のお家にて。
二人で夜ご飯を食べて、過ごしてる本日。
生姜焼きや、ひじきの煮物を作った。
ちなみに生姜焼きは彼のリクエストだ。
一緒にいながら、ふと思い出してしまう。
青アザをつけられたあの日を。
どうしても自分の腕へ意識がいってしまう。
だいぶ消えてきたけれど、今もまだ残る。
薄っすらと青紫色の痕。
『ごちそうさまでした！美味しかったで。ありがとう』
「いえいえ。またリクエストしてくれたら作るね」
こうやって優しいんだよ。普段の彼は。
とても女に手をあげる人だとは、信じられないほど。
『お礼といっちゃなんやけど、俺がお皿洗ってあげる』
「え、いいの？悪いよ」
『ええから。Aは座ってゆっくりしてな』
「ありがとう、大吾」
大吾のお言葉に甘えることにして。
その間、お風呂を借りた。
一応今日は、泊まる予定なのだ。
どうか楽しく平和な夜でありますように。
そう願わずにはいられなかった。
――――――
ソファに座りながら、付けっ放しのテレビのバラエティ番組を見ていると。
お皿洗いを終え、お風呂から上がった大吾がソファへやってきた。
『お互いお風呂入ってさっぱりやね』
「そうだね。いつでも寝れるよ。
大吾、お皿洗いありがとうね。助かったよ、すごく」
『ええって。これくらい。Aがごはん作ってくれたお礼やからさ』
彼の腕が私をそっと包んで。
ぎゅっと不意に、後ろから抱き寄せられる。
『A...。めっちゃ良い匂い。お風呂あがりやから』
「それを言うなら、大吾も同じなのに(笑)同じシャンプー借りたから私も」
『そうやけど(笑)良い匂いすんねんA』
さらさらと髪を撫でる指先。
大吾の低めで落ち着いてる声は、優しい。
『...A、』
「なに？、大吾....、ん、...っ、」
『ちゅーしたくなったの。』
「.....だい、...っ、」
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作者名：若菜 | 作成日時：2017年3月31日 18時
