お隣さんは、危険人物です。5th【国見英】

危険人物。132 ページ13

ピンポーン




「…国見くん、いる？」



それからどのくらいたっただろう。



勉強なんか元からしたくもないし、頭にも入らないのに………



あんなことがあったら、なおさらできるはずもない。



　
ゲームにしたってそうだった。




　


だからぶっちゃけ、今はAさんに会いたくなかったっていうか。



だけど無視することができるはずもなく、俺はドアを開けた。



　


国見「…なんのようですか」



「……クリスマスデート、のことなんだけどさ、」




思ったよりも低い声が出てしまい、Aさんは一瞬、ビクッと反応する。




だけど、俺の目を見て話してくる。




「……さっき、徹がね、」




及川さんの名前が出た途端、かぁっと俺の体が熱くなる。



………なんで及川さんの名前出すわけ？



及川さんがそんなにいいのかよ。




国見「……そんなに及川さんのことがいいなら、及川さんと付き合えばいいじゃないですか」



「…え？」



Aさんの驚いた声も。




もう聞こえない。




国見「……俺なんかと付き合ってたって、つまんないだけですよね」




止まらない。止められない。




一度開いた口は、閉じなかった。




「…ちょっと！！国見くん、」



国見「……Aさんは、さっきも及川さんといましたしね」



「……っ」



………もう、どうしたらいいのかわからなくなってしまった。

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