お隣さんは、危険人物です。5th【国見英】

危険人物。122 ページ2

国見side




「……ありがと、」



俺がネックレスを渡すと、Aさんは少し顔を赤らめてそう言ってくれて。



国見「…いえ、俺の、方こそ」



ペアストラップ、すごく嬉しかった。



Aさんと、付けられるなんて幸せ以外の何ものでもない。




そのくらい、すごく嬉しくて。




その嬉しさを隠すように、ポケットに手を突っ込んだ。




　



　



　



「……国見くんにとって、私は先輩？」



その言葉に、耳を傾けた。




「……彼女、だけどさ、先輩？」




彼女。だけど……Aさんはおれの先輩なわけで。



そのことを、不安に思っているような声だった。




　


国見「……逆に、Aさんにとって俺は後輩ですか？」



俺も、そのことは聞いてみたかった。




後輩扱いされて、子供扱いされて。




そのことが悔しく思っていた俺。



………Aさんも、そう思っててくれたのかな、って思ったりして。




くすぐったい気持ちになった。




「……後輩、だけどさ」




その言葉に、ビクッと反応してしまった。




「……今では、彼氏って言葉が先に出てくる、よ？」



顔を真っ赤にして、声を震わせて。



だけど………そう言ってくれたことが嬉しくてしょうがなかった。

危険人物。123→←危険人物。121

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す