騎士Aのお姫様【Knight A】２

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ばぁうside

A脱退騒動のせいで独り立ちしたっぽい件について俺の家で緊急会議が行われている。
Aは今千香ちゃんと杏ちゃんとお出かけしているのでA抜きの6人での会議だ。

全員死ぬほど真剣な面持ちで向き合っているのは、Aの義両親から｢あなたたちにも知って欲しいと思って｣と渡された進路希望調査である。


そうま｢今の高校の系列の女子大じゃねーじゃん！！｣


てると｢近所は近所だけど、共学だね。心理学部志望か｣


まひと｢この大学寮あるんだけど｣


ゆきむら｢…共学に行ってあいつがモテないわけが無い｣


しゆん｢でも進路くらいは普通に決めさせてやりてぇよ、俺だって｣


ばぁう｢共学に行ってみろ！！翌日には合コンからの朝帰りだぞ！？｣


てると｢女子大でもあるよ合コン｣


まひと｢その大学に偶然知り合いが行ってたりとかしない？｣


ばぁう｢Aと同年代の知り合いが浮かばねー｣


そうま｢彼氏とか紹介された日には血反吐を吐く自信しかない｣


ゆきむら｢あー、独り立ちって辛い｣


しゆん｢そういやそまとばぁうちゃんはAと寝れなくなって暴れてたけど大丈夫だったわけ？｣


そまばぁう｢｢風俗行った｣｣


しゆん｢あ、そ｣


会議途中急にピンポーンとチャイムが鳴って、ドアを開けてみるとボロボロ涙をこぼすAと苦笑いの2人。｢すみません、こんな感じなので早めに切り上げちゃいました｣と。

俺を目に映すやいなや声を上げて泣き始めて、抱きついてくる。え、嬉し。


あ｢お化け屋敷怖かった…｣


ばぁう｢は？｣


千香｢ちょっと泣き止ませられなくて｣


あ｢怖かった…｣


杏｢この子が乗り気でチケット買ったんですけどね〜｣


ばぁう｢おー、そっか。こっちで泣き止ませるわ。2人とも上がってく？お茶くらい出すけど｣


千香・杏｢｢知らない男の家はちょっと｣｣


ばぁう｢知らない男扱いなのか。まあ、うん、気をつけてな｣


泣き続けるAを抱き上げて謎の安心感に襲われる。まだ触れるんだな。まだちゃんと俺らの前で甘えてくれるんだな。

焦ることないか。勝手に縛ってるの俺らだもんな。


ばぁう｢A、まだ子供でいてくれていいから。好きなだけ泣け｣


あ｢もう泣かない、ｸﾞｽｯ、落ち着いたもん｣


ばぁう｢そ、偉いじゃん｣


あ｢うん、ｸﾞｽｯ、えらい子だから｣


ばぁう｢もうちょい泣いてていいのに｣


あ｢ばぁうくん見たら安心したの｣


ばぁう｢ｸｯ､ｶﾜ｣

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