騎士Aのお姫様【Knight A】２

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ゆきむが私の家の鍵を使って学校関係のものとってきてくれたおかげでちゃんと高校には行けてる。
ゆきむは毎日のように配信を撮ってる。私は何日もとってない。クラスメートは私が騎士AのAだって知ってるのにそっとしてくれてる。

何回かメンバーが高校に来てた。でもクラスメートのみんながそれを見つけたら裏門へ誘導してくれたりした。もうゆきむ以外のメンバーとは何日も会ってない。連絡も返せなかった。既読だけはなんとかつけた。


ゆきむら「A、ちゃんと食え。いい加減倒れるって。薬しか飲まねーのやばいからな」


あ「食欲ない」


ゆきむら「しかもちゃんと寝れてないだろ」


あ「眠くない」


ゆきむら「とりあえず野菜ジュースでいいから口になんか入れとけ」


あ「ゆきむも、ちゃんと食べて寝て」


ゆきむら「わかったわかった。ゆきむらもちゃんとするから」


あ「ゆきむ、みんなからのLINEもSNSも見たくない。スマホいらない」


ゆきむら「ん、じゃあ見たくなるまでゆきむらが預かる」


あ「ゆきむごめんね。迷惑しかかけてない」


ゆきむら「Aに何回も支えられたからそれ返してるだけ。それにゆきむら、Aのことちゃんと好きだから。メンバーとしても活動者としても推しとしても人としてもちゃんと好き。好きな人に何かしてあげたいってのは変じゃないじゃん」


あ「…ありがと」


ゆきむら「よし、じゃあゆきむらが代わりにあいつらに言ってやるから！！」


あ「何を？」


ゆきむら「いや、ゆきむらがAのスマホ預かってるってこと。あとゆきむらがAのこと泊めてることも」


あ「そしたら家に来るかもしれないからやだ」


ゆきむら「なんでやなの。別に来たって会ったってよくね？やめるにしてもやめないにしても友達として、保護者の一人としては関わり続けるはずだし」


あ「やめたらみんなと、もう、関わらないつもり、だから」


ゆきむら「は？」


ゆきむのこえが低くなった。私の肩をつかんだ。怖くて涙がこぼれた。
だって私、邪魔だから。だって私、みんなと釣り合ってない。だって私、騎士Aとしての私は求められてない。

いっぱい言いたかったけど声が出なかった。ゆきむがすごく苦しそうな顔してたから。



ゆきむら「ゆきむらは、騎士Aやめてもあいつらと友達でいるつもりだよ。もちろんAとも。それに僕はちゃんとメンバーと話し合った。お前は何にも話さないで大事なこと勝手に決めてんの？」


あ「ゆきむ…」

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