籠の中の鳥は耐えられない【KnightA】 (ページ5)

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｢あれ？ばぁういないの？｣と部屋に入ってきたのはそうま兄ちゃん。身長分けて欲しい。そうま兄ちゃんもうちの組の幹部。強いらしいよ。

そうま兄ちゃんの手には本。目が輝く。

あ｢本！！｣

そうま｢おーおー、あげるから落ち着け｣

あ｢本…｣

そうま｢ところでばぁうは？｣

あ｢なんかどっか行った｣

そうま｢えーそうなの？｣

あ｢答えたから本！｣

そうま｢ダメでーす｣

あ｢なんで！？｣

そうま｢今度お嬢の婚約者がいる組との会合があります｣

あ｢だから何？｣

そうま｢そこに出るならあげる｣

あ｢絶対にやだ｣

そうま｢お嬢、ゆきむらも来るよ？そんなにヤダ？｣

あ｢やだ｣

そうま｢じゃあ本はお預けね｣

あ｢え｣

そうま｢お嬢も少しは顔合わせとか出ないとだよ？｣

あ｢やだ｣

そうま｢この本は俺が持っとくから気が変わったらおいで｣

あ｢殺す｣

そうま｢お嬢短刀しまいなって。本のことになるとすぐ怒るんだから｣

そうま兄ちゃんはそこそこ優しい。そこそこ意地悪。本をよく買ってきてくれる。その分そうま兄ちゃんは私に取引を持ち出してくる。今日みたいに。

ゆきむと会わせようと本で釣ってきたのもそうま兄ちゃん。それでゆきむと意気投合したから取引に応じることはいい事もある。

そうま｢はいお終い。お嬢俺に勝てるわけないでしょ｣

あ｢いつの間に！？私の武器返して！！本も返して！！｣

そうま｢ダーメ。お嬢がちゅーしてくれたら考えよっかなぁ？｣

あ｢ちゅ！これでいいでしょ！！本！！｣

そうま｢投げキッスは無し｣

あ｢そうま兄ちゃんが意地悪する〜！！｣

そうま｢意地悪じゃないよ、会合出たら良いだけでしょ。ちゅーしたら武器、会合出たら本、それだけの話｣

あ｢(出ると言っておいて当日逃げれば良いだけでは？)出る！！ほっぺ！！ちゅー！！｣

そうま｢お嬢単純すぎて怖い｣

あ｢ちょうだい！！｣

そうま｢はい、本と武器ね。ばぁう探しに行ってくる。誰か来たらばぁう探しに行ったって言っといて｣

あ｢うん！！｣