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「着いた…」
大阪から東京まで約2時間半。
寝るところだった。
重い荷物を置きに実家にいこうと思ったが、先に柳田に会うことにした。
柳田「Aさん」
「ごめん、遅くなっちゃった」
柳田「乗り遅れてないので大丈夫ですよ」
「こら、柳田」
そういうと二人で笑いあった。
「ドイツに行く準備はできた？」
柳田「ある程度は…」
歩きながら話す。
スーツケースを引っ張りながら歩こうとしたらさりげなく柳田が持ってくれた。
優しいな。
柳田「ファン感どうでしたか？」
「楽しかったよ、無理やり出されそうになったけど」
柳田「出ればよかったじゃないですか」
「やだよ、私みたいなスタッフが出るなんてファンも喜ばないよ」
電車を乗り継いで柳田と来たのは母校と実家のある下北沢。
高校の前で足を止めると柳田も足を止めた。
柳田「どうしたんですか？」
「私の始まりの場所」
柳田「え？」
「ここから、私のトレーナーとしての夢が始まった。」
高校の時にトレーナーになると決めて、
大学行って、
全日本に選ばれて、
清水と福澤に出会って、
オリンピックに出て、
悔しい思いもして…
またオリンピックに出ようなんて約束したけど出れなくて。
それでも、トレーナーとして進んだことが間違いじゃないって思った。
「年月が過ぎていく度にどんどん若い選手が選出されて…柳田に出会えた」
柳田「…！」
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作者名：Lal | 作成日時：2020年4月28日 12時
