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慈しむ ページ2

中原side


「成程ね。異能力がやっと開花したという訳だ。」


「はい、首領。その後も何度か試してみましたが間違いありませんでした。」


「試すって如何やったの?」


「詳しく申し上げますと引き続き手合わせを行いまして、Aが俺の動きを避ける度に何か感じたかを確認しました。どうやら百発百中、と云う訳ではなさそうです。」


「あぁ。彼女の異能力はあくまでも可能性が分かる程度のものだからね。だが、使いこなすことが出来れば怖いもの無しだろう。Aちゃんにも話を聞きたいのだけれど何処に居るかな?」


「それなんですが実は異能力が開花してから三十分程経った頃に行成倒れまして...今は俺の執務室で横になっています。」


「彼女の異能力は下手をすれば精神を病んでしまう可能性のあるものだ。彼女が壊れないようにしてね。」


「承知致しました。」


「それと、此の件は太宰君にも報告するようにね。」


「....首領の命令とあらば。それでは失礼します。」


何時もなら多少の世間話をするのだが今は世間話等している余裕が無かった。


一刻も早くAの処へ行きたい。


そんな俺の思いを察したのかは分からないが首領は其れ以上俺に何も聞くことは無かった。


首領の部屋から出た瞬間にポートマフィアの広い廊下を駆け抜ける。


自分の執務室の扉を勢い良く開けたところで自分が大きな音を立てた事に気がついた。


直ぐにAが起きていないかを確認するが、相変わらず自分の仮眠用の寝台ですやすやと寝息を立てていた。


「起きてなくて良かったぜ。それにしても...」


可愛らしい寝顔だなとAの顔を覗き込む。


するとAが行成、寝返りをうったのでお互いの顔の距離が近くなった。


「う〜ん。あすぱらだいすだ。おいしぃねぇ〜。」


突然の事に驚いて赤面する中也とは裏腹にAは意味の解らない寝言を呟いた。


「此奴何言ッてんだ?」


先程迄、赤面して固まっていたのが嘘かのように腹を抱えて笑い出す。


まだポートマフィアに加入してから数日しか経ってないがAの笑った顔は見た事が無かった。


それが今は寝ているとは云え、半笑いで可笑しな寝言を呟いているのだ。


Aの意外な一面を見た途端、中也には彼女がとても愛おしくなった。


「手前には笑顔が一番似合うと思うぞ。」


そう云って今度は唸り出したAの眉間に寄った皺を指で軽くほぐすと彼女の隣に横になった。

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安蒜 佑(プロフ) - 滅茶苦茶面白くて、一気読みしてしまいました!私もこんな風に上手く書けるようになりたい・・・続きも楽しみにしてます! (2020年7月30日 11時) (レス) id: 789e459cc4 (このIDを非表示/違反報告)
wakame(プロフ) - ミレーさん» こちらこそいつもコメントありがとうございます!!もう新しい年になりましたがこれからも頑張ります!!もっといっぱい更新したい)))) (2020年1月24日 23時) (レス) id: 8e6078eb4d (このIDを非表示/違反報告)
ミレー - wakameさん» お返事ありがとうございます(〃ω〃) 中也様女の子に優しくしないと、嫌われちゃいますよ(*TーT)b 今年も後少しですね、来年も頑張って下さい(●^o^●) (2019年12月26日 18時) (携帯から) (レス) id: a496965e6a (このIDを非表示/違反報告)
wakame(プロフ) - ミレーさん» あれは絶対痛いですよね.......。主人公ちゃんの今後の態度によりますね(´-ι_-`) (2019年12月25日 1時) (レス) id: 8e6078eb4d (このIDを非表示/違反報告)
ミレー - 中也様に頭を拳骨されました(*TーT)b もう少し優しくして下さい(〃ω〃) (2019年12月23日 20時) (携帯から) (レス) id: a496965e6a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:wakame | 作成日時:2019年5月29日 18時

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