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60話 ページ30

「…て、…きて…起きて!」




「ん、何…」




あの後すぐに寝て、今日もお昼まで寝る。はずだった…




しかし、今、喜八郎が慌ただしく私を起こす。



「久々知先輩が…今、、」




“呼吸困難で”



「え、、」



私は着替えもせずに髪もボサボサのまま医務室に向かった。





「伊作さんっっ!!!」




「A!!!今、お医者さん呼んでるから!」



嘘っ、嘘でしょ…


「あ、…」


多くの人に囲まれた中心にいた、苦しそうな兵助の姿。


「兵助!目覚ませよ!」



「大丈夫!もうすぐお医者様が来るからな!」


周りで励ましている五年生達。



「兵助!ごめんね!だから、お願い!」




私も必死に叫ぶ。


すると、お医者様が着いた。


「久々知さんというのは…」



「こ、こちらです!」



「あぁ、これはひどい…取り敢えず応急処置をする。」



何?何が起こってるの…?

そういえば、はっきり兵助がどこに打たれたか知らない…



私は多くの人の間から見たくもない光景を見た。



「っ…!!!」



包帯が剥がれると心臓に近い部分から血が流れていた。



「っ、」



私はその光景を黙って見ることしかできなくて。



兵助、お願い。目を…覚まして。



〜〜〜〜〜〜


応急処置は無事終わり、後からお医者様に聞くと、やはり打ち所が悪すぎたようだ。



「兵助は無事なんですか?」


「…それは…」


なんでそんな顔するの…?



「もしかしたら、目を覚まさないかもしれません…一応、手を尽くしましたが…」



「嘘…」



「では、失礼します。」



「A。僕たちは外に出てるから…兵助に…」



「っ、はい…」


伊作さん達が部屋から出て行くと私は兵助に寄り添った。



「兵助。約束したよね?一緒にまた笑い合おうって。なんで?ねぇ…」


目を覚ましてよ…



昨日より苦しそうな兵助の顔が


私には辛かった。



「兵助…」



きっと、これが最後。





“ずっとずっと、愛しています。”



私は兵助にそっと口づけをした。

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わかめ - 夏さん» はい〜!!おめでとうございます(?)いつも読んでいただきありがとうございます! (2017年12月8日 6時) (レス) id: 40678276a9 (このIDを非表示/違反報告)
- うぇ〜い!ついに二人が付き合った〜\(^o^)/ヤッター (2017年12月7日 20時) (レス) id: e108562f23 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ - 夏さん» なんでしょうね…!?更新するのでお楽しみに…!!! (2017年12月5日 21時) (レス) id: 40678276a9 (このIDを非表示/違反報告)
- さ、作戦B!?一体二人は何を考えているんだ…!? (2017年12月5日 21時) (レス) id: e108562f23 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わかめ | 作成日時:2017年12月4日 22時

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