拾参話 ページ14
side A
自分がかつてお館様と呼んでいたその人から届いた手紙の内容は、以下のようなものだった。
行方知れずになった君の居場所がようやくわかったので、手紙を送らせてもらう。
突然だが、鬼殺隊に戻ってきてはくれないか。
君の鬼狂わせという体質のせいで、隊の中で随分君は虐げられてしまった。
柱達も君のことをよく思っていなかったことは事実だ。
でも、君の鬼狩りとしての能力は失うには惜しい。そして、私も個人的に君を気に入っている。
また酷い目に遭うかもしれないけれど、前のような事態は全力で阻止したいと思っている。
君がいいと思うのであれば戻ってきてほしい。
そういえば、君が今一緒にいるのは、竈門炭治郎という名の隊士だったはずだ。
彼は鬼となった妹を連れている。だが、妹は一度も人を喰ったことがない。
もし君が鬼殺隊に戻ってくるのであれば、炭治郎と妹の禰豆子を守り、扶けてやってくれ。
そんな内容が、お館様らしい柔らかい口調と言葉選びで綴られていた。
「うわ……」
思わず嫌悪に顔が歪む。
お館様のことは好きだ。だが、だからといって鬼殺隊も好きなわけではない。
鬼殺隊にいたころの記憶が身体の芯まで染みついてしまって、あの隊服を見ただけで少し呼吸が苦しくなるのだ。
炭治郎くんと善逸くんが酷い人間ではないとわかっている。少し前に会ったばかりだけれど、それなりに好いてもいる。
けれど、頭の片隅で考えてしまうのだ。もしかしたら、なんてありえない嫌な想像をしてしまって、それをかき消すためにわざと明るくふるまっていた。
でも、信じてもいいのかな。
「あのさ、嫌だったら申し訳ないんだけど、……」
恐る恐る声をかける。
「俺、しばらくは君達と一緒に行動することになった」
二人は同時に「えっ」と声を上げた。少し不安になったけれど、嫌がってはいないようだ。
簡単に事情を説明した。自分の話したくない箇所は避けて。
「ほんとは戻りたくないんだけどね……」
半ば独り言のように呟くと、善逸くんが不思議そうな顔をした。
「嫌なら断ればいいじゃん」
それもそうなんだけど、
「______君達がいるなら鬼殺隊も悪くないな、なんて思ったからさ」
少しだけ、他人を信じてみようと思ったんだ。
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watanuki - 更新、自分のペースで頑張ってください!笑私も作者をしていたことがあったので作者さんの気持ちは痛いほどわかります..(違うかったら恥ずかしい)後進遅かろうが早かろうが私はこのお話が好きなのでずっと待ちますよ!応援してます! (2020年2月26日 7時) (レス) id: 75a3120b9c (このIDを非表示/違反報告)
三日月 - 続きまだ? (2020年2月23日 5時) (レス) id: 4d4917b86c (このIDを非表示/違反報告)
ひろと(プロフ) - 雨鷽さん» 返信遅れてすみません、コメントありがとうございます!!そう言っていただけて光栄です…!頑張りますのでよろしくお願いします!! (2019年10月13日 9時) (レス) id: b46ce5af38 (このIDを非表示/違反報告)
雨鷽 - この小説、めっちゃ好きです!!頑張ってください! (2019年9月11日 21時) (レス) id: 7a91fc9f4d (このIDを非表示/違反報告)
ひろと(プロフ) - 犬田さん» コメントありがとうございます!!こういう設定大好物なもので、衝動に駆られて後先考えず書いてしまいました…へへっ(( 応援ありがとうございます(〃ω〃) (2019年8月27日 20時) (レス) id: b46ce5af38 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひろと | 作成日時:2019年7月21日 20時