巻き込まれJK アルバイト中につき。【名探偵コナン】

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「さっさと金を出せ！」


未だ怒声を響かせるコンビニ強盗と、どう立回るかを迷っている萩原さんを横目に人質にされてしまった先輩の方を見る。ギロリと強盗の方を睨む先輩はやはり怯む様子も無く、ああ可哀想な強盗犯。
ナイフは依然として強盗犯の手にあるものの、刃先は先輩じゃなくて唯一レジの近くにいる私の方に向いている。


「オイそこのレジ！こっちの店員がどうなってもいいのか」


いやぁどうにもならないと思います、とつい言いかけた途端。
ぐらりと体勢を崩した強盗犯がつんのめりになってそのまま近くの商品棚諸共床に伏した。ぐ、とナイフを持った腕を折ってやらんばかりに捻りあげて強盗犯の上に跨る先輩に最早感嘆の意すらある。天晴。

ただでさえ大きい垂れた瞳をぱちくりと瞬かせて私を見る萩原さんの顔がぽかんと間の抜けていて、思わず少し笑ってしまった。

柔道の達人を人質にとった時点で勝敗決まってましたよね。分かります。可哀想に。
……いや、というかそんなことより棚が！！！！商品！！！！


「萩原さん早くその人連れてってください……在庫が……在庫が雪崩てます…………」


私の言葉に絶望的な表情で頭を抱える先輩と、引きつった笑みを浮かべながら強盗犯に手錠をかける萩原さん。
ああ、今日は調子がいいと思ったのに！！！！今日は何事もなく家に帰れるかと！！！！思ったのにな！！！！


「んじゃ、Aちゃん後日警視庁ね」

「むしろ警視庁が来い………………」


ファンファンと鳴り響くパトカーのサイレンの中、頭を抱える私を見て萩原さんがまたケラケラと笑った。

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