譲れぬ思い2 ページ6
「なぁ……」
『なに？やり直しだなんて聞かないわよ、ルフィ？』
私の言葉にルフィは地面に頭をつけたまま首を横に振る
「なんでおめェ……泣いてんだ？」
『…バレちゃった？』
勢いを増した雨の中、気づかれないと思ったのに…
『私だってね…ちゃんとわかってるのよ、ルフィ』
わかってるんだ、ちゃんと
それでも、
『私は精霊の気持ちが分かるから…』
話はできなくても意思疎通はできるから
『だからッ!!……精霊たちが…母を殺されるんだって恐れてッ…嘆いて…助けを求めて』
私はそれを
『見ないふりできると思う!!?
いつも精霊たちの力を借りてる私が見捨てるなんてできるわけないでしょ!!?
ねぇ、ルフィ!!
あなたには分かる!!?
大切な者が…大好きな母が死ぬかもしれない恐怖がッ……!!』
そこまで言って、私は押し寄せる感情に耐えきれず、ルフィの上に座ったまま泣き崩れてしまった
自分が信頼してる者にナイフを向けたことも、譲れぬ思いも、今の自分にはあまりにも大きくて受け止めることが出来ない
涙か雨かわからない大粒の雫がルフィの胸元を濡らした
ふと、心に暖かい感情が流れ込んでくる
私を守るように取り囲む淡い光
この光はルフィには見えない
この感情と光が意味するものは……
『ルフィ……もういいよ』
「えっ？」
『切り倒してもいいよ………』
困惑するルフィに私はただ微笑む
『精霊たちも…その子らの母も…いいてっさ』
「ッ!!?……いいのか…?」
『………』
「おーい!!!!」
島の方から走ってくるチョッパーが見えた
なかなか戻ってこないルフィたちにしびれを切らしたのだろうか？
「Aもルフィもどうしちまったんだよ!!」
チョッパーが慌て出す
それもそうか
倒れているルフィと私はその上に馬乗りになってるのだから
『いや、あの木を巡ってというか……』
「なんで、それで喧嘩するんだよ!!」
『いや、ルフィが切り倒すとか言うから……』
「なんで切り倒すんだよ!!」
『……ちょっとまって…切り倒す必要は無かったの？』
チョッパーは力強く頷く
「木の枝1本から薬は作れるんだぞ!!?」
体の力が抜けていく
『ねぇ…チョッパー』
「ん？なんだ？」
『そういうことはね……
もっと早く言いなさいよ!!!!』
雨が上がった森の中に私の声が響いた
かくして、ルフィと私の喧嘩はルフィと村人たちが勘違いしてたということで決着がついたのだった……
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 62人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ノア(プロフ) - 歌和月さん» ありがとうございます！ (2018年1月21日 21時) (
レス) id: 3d46bfde5a (このIDを非表示/違反報告)
歌和月(プロフ) - ほうじ茶さん» 時間がかかってしまいすいません。一人何個までと制限はないのでまた何かありましたらお願いします (2018年1月21日 20時) (レス) id: 89164110a3 (このIDを非表示/違反報告)
歌和月(プロフ) - ノアさん» 了解です！時間はかかりますが精一杯書かせてもらいます (2018年1月21日 20時) (レス) id: 89164110a3 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - いつも読まさせて頂いてます！本編でのルフィ、サンジ、ゾロが夢主に対して怒った所がすごく良かったです！もう1回ぐらい見たいです！お願いします！ (2018年1月16日 8時) (レス) id: 3d46bfde5a (このIDを非表示/違反報告)
ほうじ茶(プロフ) - リクエストやっていただいてありごとうございます！期待どうりの内容でとても楽しく読ませていただきました！ (2018年1月3日 16時) (レス) id: d5dae34659 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：歌和月 | 作成日時：2017年6月14日 23時
