記録士誘拐事件9 ページ22
ひとしきり笑い終えたミカイルはAの体を床へと押し付けた
「数年前まではいい領主だった…えぇそうでしょうね。皆、愚かにも嘘の私しか知らなかったのだから!!」
『どういうこと…』
「いい領主…ええ、そうでした。この島が住みやすければ女神が帰ってくる…そう思ってましたからね」
『あなたは…あなたは本当に女神のためを思ってそれをしたの?』
「……ふふっ、本当にあなたは鋭い。女神のため…ええ、そうですね。それは違う」
Aの手を掴む力が強くなる
ギリッと鈍い音をたて骨がきしんだ
「わたくしは女神自身にも恋い焦がれる一方、その美しさを愛でたかった…少女とも女性ともつかぬ曖昧な美しさ」
あぁだけど
「だが君が現れた!!湖の中、清らかで穢れない君が!!これこそ私が求めていたもの!!すぐにそう思ったよ……」
『お願い…離して』
「あぁ泣かないで…美しい人よ…私と一緒に行きませんか?」
「それはダメだ!!」
神殿内に突如声が響いた
『ルフィ!!』
「おや、思ったより早いようで」
「Aを離せ!!」
「王子様気取りですかな?ねぇ、美しい人…君はどうしたいのかね?」
『ルフィの元に帰らせて!!』
「ふふっ…ふはははははははは!!ええ、いいでしょう」
『えっ?』
あまりにもあっさりにその手は離される
「手に入らないものは嫌いです…それに私は彼にかなわない」
カランと音をたてAの横に首輪の鍵が転がる
「これでお終いです。彼女との縁はこれで切りましょう」
『……?』
「A!!」
ルフィに強く腕を引っ張られ、Aは神殿の外へ出た
神殿から出る前、ミカイルは悲しそうに微笑み何かを手にしていた
突如、背後からｺﾞｳｯと不穏な音がした
『ミカイル!!』
「やめろ!!A!!」
神殿から出た瞬間、一気に赤い炎が白い神殿を包み込んだ
『あぁ……あぁぁぁぁぁぁぁ!!』
神殿を包み込む炎が…まるで高笑いする女神のように…Aには見えたのだった
ーーーーー
次の日、焼け落ちた神殿内からミカイルの遺体が見つかった
島人たちも捕えられた少女たちもミカイルの死を悼んだものの、これで解放されると思う気持ちの方が強かったみたいであった
だが、私は喜べなかった
真実を知ったから
ミカイルの屋敷の書斎で私はとある一冊のメモ帳を見つけた
古書から集めた知識をメモするためのミカイルのメモ帳であったらしい
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ノア(プロフ) - 歌和月さん» ありがとうございます！ (2018年1月21日 21時) (
レス) id: 3d46bfde5a (このIDを非表示/違反報告)
歌和月(プロフ) - ほうじ茶さん» 時間がかかってしまいすいません。一人何個までと制限はないのでまた何かありましたらお願いします (2018年1月21日 20時) (レス) id: 89164110a3 (このIDを非表示/違反報告)
歌和月(プロフ) - ノアさん» 了解です！時間はかかりますが精一杯書かせてもらいます (2018年1月21日 20時) (レス) id: 89164110a3 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - いつも読まさせて頂いてます！本編でのルフィ、サンジ、ゾロが夢主に対して怒った所がすごく良かったです！もう1回ぐらい見たいです！お願いします！ (2018年1月16日 8時) (レス) id: 3d46bfde5a (このIDを非表示/違反報告)
ほうじ茶(プロフ) - リクエストやっていただいてありごとうございます！期待どうりの内容でとても楽しく読ませていただきました！ (2018年1月3日 16時) (レス) id: d5dae34659 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：歌和月 | 作成日時：2017年6月14日 23時
