少女 ページ3
木に背中を預けながら、その男は木陰で涼んでいた
その男、シャンクスの特徴的な赤髪を心地の良い潮風が撫でていく
「お頭、そろそろ行くか？」
「あぁ……ん？」
近づいてきた副船長のベン・ベックマンに短く答え立ち上がろうとした時、あることに気づいた
船のある方向が騒がしい
それはシャンクスの周りにいた幹部たちも気づいたのか眉をひそめている
「お頭!!!」
部下の一人が船のある方向から息を切らしながら走ってきた
「なにがあった」
ベックマンがシャンクスの代わりに口を開く
「お頭…空から女の子が!!」
走ってきた男が興奮気味に話しだした
「もしかしたらカイドウの手下かもしれないって、今他のやつらがとっ捕まえようとしてて!!でもかわいい女の子で!!そりゃおれもびっくりしたけどその子のあの黒い目を見た瞬間こう心臓がギュッと押しつぶされた気がして!!｣
「おいおい、話が見えねぇ…もう少し落ちついて離してくれねぇか？」
ベックマンが冷静に言うと男は一つ呼吸をするとまた口を開いた
「空から、空から女の子がふってきたんですよ!!」
「……」
シャンクスだけでなく周りの幹部から疑うような目を向けられた男は誰かに助けを求めるように来た道を見るとまた目を輝かせて、「ほら、あいつです」と指さした
男が指さした先には、武器を持って走る部下とそれから逃げようと必死な顔で走る10歳ほどにしか見えない小柄な少女
『キャッ!!』
後ろの男たちに気を取られるあまりシャンクスに気づかなかった少女は、シャンクスに気づくやいなや逃げる方向を変えようとして木の根につまずき転んでしまう
そのせいで少女の背負っていたリュックの留め具が外れ中のものが散乱してしまった
「ほら、大人しくしろ!!」
少女を追っていた部下が２人、倒れた少女の両腕をつかみ無理やり起き上がらせた
「こいつ、能力者ですぜ、お頭!!」
「触れようものなら消えちまうし、すり抜けるしで、何者なんだこいつは!!」
少女を追っていた男たちが口々に騒ぎだす
両膝をつき捕えられた腕をどうにかしようと暴れる少女は諦めたのか暴れるのをやめ、目の前に立つシャンクスを睨むように顔をあげた
白い肌に赤い頬
わずかに紅く色づいた唇
甘さを含み、まだ幼さの残る漆黒の瞳
確かに部下の言った通り可愛らしい
体中のすり傷とこちらを睨む涙のうるんだ瞳が少女の可憐さを引き立てていた
これがシャンクスでなく人さらいであったなら間違いなく連れ去られていただろう
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 52人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
歌和月(プロフ) - ていさん» 気づいてくれてありがとうございます！狙って書きましたw (2018年1月31日 15時) (
レス) id: 89164110a3 (このIDを非表示/違反報告)
てい - 「お頭！空から女の子が！」で吹きましたwww (2018年1月31日 15時) (レス) id: 8ed61312f2 (このIDを非表示/違反報告)
歌和月(プロフ) - 銀狼（オツキミ）さん» ありがとうございます!!こちらでもよろしくお願いしますm(_ _)m (2017年5月10日 19時) (レス) id: d994606c43 (このIDを非表示/違反報告)
銀狼（オツキミ）(プロフ) - 続編おめでとうございます！体調を崩されぬよう更新を頑張ってください！応援しています！ (2017年5月10日 16時) (レス) id: d387e140d1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：歌和月 | 作成日時：2017年5月9日 22時
