最悪な目覚め2 ページ6
ことりと目の前のテーブルに淹れたての紅茶が置かれる
あの後、下を俯き肩を震わせるAにサンジは朝のしたくを中断させ椅子に座らせたのだった
「にしても予知夢か…最近見てなかったんじゃなかったのか？」
『うん…』
サンジの言うとおり、ここ二ヶ月予知夢なんてものは見なかった
「たしか、予知夢は人に言えないんだったよな」
『言えないわけじゃない。ただ言えばそうならないように動いたりするでしょ？それだけはしてはいけないから言えないだけ』
「もし、見た夢が悪い未来ならそうならないようにするのはいいことなんじゃないのか？」
サンジの言葉に軽く首を横にふる
『例えばの話だけど、人が死ぬ夢を見るでしょ。その死ぬ人に、ここであなたは死にますよと言えばその人はその場にいかない。そうするとその場所で違う人が死ぬの。その人の大事な人とかね。もしくはその場所じゃなくて違う場所で死んじゃうとか』
「なら、未来を知ることによって最悪な未来を引き起こすってことか？」
『そういうこと。それに、見た夢は前後に何があったか分からないの……部分的すぎていつ、どこであるのかが分からない』
それが明日におこるか一年後か
それは夢を見た自分でさえ分からないのだ
『夢の中は……闇が広がってて……私はただ移り変わる情景を…ただ見ているだけなの…自分の感情すら無くて…誰が死のうが何も感じない…』
だから
『だから怖いの……私だけ知っていることが…何も思わないでただ傍観していることが』
言うことも出来ず何も出来ずただ知っているだけ
それが何よりも怖い
俯いたままのAの頭にとんっと温もりが触れる
それは、サンジの手であった
「大丈夫だ。そんな心配しなくても俺たちは何でも乗り越えてきた。ルフィを見てみろ。どんな困難なことでもあいつはやり遂げてきた」
サンジはAの頭を優しく撫でながら、それに、と続ける
「予知夢だからってそうなるとは限らないって前言ってたじゃないか。大丈夫だ。俺たちを信じろ」
『そう…そうよね!』
手の温もりがとても心地が良い
「そう心配しなくても俺はあなたのためならばいつでも助けにまいります｣
そう言いながらサンジはナイトのように胸に手を当ててポーズをとる
『ふふっ……ありがとう』
「よし、あいつらが起きる前に朝飯の準備をするか」
『中断させちゃってごめんね？』
「いえいえ、眠れるお姫様のためなら俺は何でもしますよ」
『もう、笑わせないでよ!!』
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歌和月(プロフ) - 銀狼（オツキミ）さん» ありがとうございます!!!!第二章に突入するのでそちらもよろしくお願いします!!!!少しでも面白いと思ってもらえるよう頑張ります!!!! (2017年5月7日 20時) (
レス) id: d994606c43 (このIDを非表示/違反報告)
銀狼（オツキミ）(プロフ) - とても素晴らしい作品ですね！これからも頑張ってください！応援してます！ (2017年5月7日 19時) (レス) id: ab1a0c9432 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：歌和月 | 作成日時：2017年4月15日 14時
