私の話をしよう5 ページ14
「おおい、A嬢!!お出かけかい？いい果物があるから買っていかないかい？｣
「おはよう、お姉さん。今日は隣村の子にお話を聞かせてあげるって約束したのよ。帰りにあったら買って帰るわ｣
「やだねぇ、この子は。四十のおばさんにお姉さん何て」
「あら、女の人は何歳になっても若いものだって父に言われたわよ？｣
「さすがガイアの子だねぇ……よし、この花持っていきな。隣村の子と会う前にいつものところに行くんだろう？」
「え、いいの？｣
「いいのよ。馬鹿息子のせいで店も空けられそうに無いし、そいつを持っていく暇も無さそうだからあんたが持って行きなさい」
「ありがとう!!」
果物屋の店主に渡されたのは白い花束であった
これから向かう場所に最適の花を手に取り果物屋の店主に頭を下げる
「ほんと、いい子に育ったねぇ……うちの馬鹿息子もA嬢くらいいい子に育ってほしいものだが、あの馬鹿息子は店の手伝いもしないで遊びまくって｣
「あはははっ、レイスによろしくね！」
花束を抱えながら果物屋を後にする
空は晴れ散歩にも漁をするにも最適な日和だ
「A嬢、昨日はうちの子に本を読んでやってくれたんだってね、喜んでたよ｣
「A嬢、あんた隣村に来た海賊を追っ払ったんだって？血気盛んなのはいいことだが自分の体は大切にしなさいな。そういうところはミーシャに似たのかねえ……｣
「A嬢!!またお話聞かせてよ！｣
歩く度に老若男女問わず名を呼ばれAは立ち止まっては歩くを繰り返す
二人はAを自分たちの手で育てることを当初は周りも反対したらしいが今ではすっかり島に迎えられ島の子供となっていた
お嬢様の生まれではないかと誰かが呼び出したA嬢という愛称も島に浸透してほとんどの者がそう呼んでくる
「みんな、優しくて私は幸せよ。ね、父さん、母さん」
目的の場につきAは荷物を下ろすと何気なくそう言った
そこは山に少し登ったところにある海が見える墓地だ
目の前にたつ墓に手をあわせると果物屋の店主に貰った花をそなえる
「これね、果物屋のお姉さんから貰ったの。いい子に育ったねって言ってくれたわ。まぁ二人に拾われてから十年たったものね……」
毎日二人の墓に行く
それがAの日課となっていた
二人は一年前に命を落としここで眠っているのだ
「ねぇ……私ね、母さんと父さんに言いたい事あるんだ……」
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歌和月(プロフ) - 緋翳さん» ありがとうございます^^*本編も含め頑張っていきます (2018年2月12日 17時) (
レス) id: 89164110a3 (このIDを非表示/違反報告)
緋翳 - 凄く面白いです！あぁ私も文章力欲しいです… これからも頑張ってください！ (2018年2月12日 17時) (レス) id: 03ab5a0e13 (このIDを非表示/違反報告)
わははのは - そうなのか！すみませんです！ (2017年7月22日 21時) (レス) id: 376a668e6c (このIDを非表示/違反報告)
歌和月(プロフ) - 祠妙さん» 感想ありがとうございます！また返信が遅れてしまいすいません(汗)かん…かな？のところは夢主が迷いながら発言したということでわざと平仮名なんです。分かりにくくてすいません(汗) (2017年6月27日 21時) (レス) id: cf7023feee (このIDを非表示/違反報告)
祠妙 - すごいんだお。あと、かん,,,かな？のところのかんがひらがななんだお (2017年6月15日 17時) (レス) id: 376a668e6c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：歌和月 | 作成日時：2017年4月7日 16時
