私の話をしよう3 ページ12
あの大嵐から二日がたち島にはいつもの活気に満ちた声にあふれていた
奇跡的にもこの島の被害は船や家に傷が入った程度ですみ逃げる際に怪我した者はいるものの死者は出なかった
だが、
「まだ目覚めないわね……」
「あぁ……」
あれから二日たった今もなお少女は目覚めていない
昨日まで高熱が続きガイアもミーシャも交代で少女を看病した
少女は時おりうなされた後軽く目を開くもののまた固くその目を閉じてしまう
あの後家に戻った頃には嵐は完全にさっており医者を呼ぶことができた
医者に見せたところ特に怪我もなく命に別状こそないが、後数分あの場で雨にさらされていれば命の保証は無かったらしい
その言葉にガイアは背筋が凍りそうな寒気を感じた
あのままミーシャを無理やり高台に連れて行っていれば幼い少女の命を見捨てることになっていただろう
そのことが恐ろしくてならない
「あっ………」
ふいに少女がうなされるように声を出す
また熱でも上がったのかと急いでかけよればうっすらと目を開いていた
「おい、大丈夫か！？」
少女はしばらくまた目を閉じると微かに水とつぶやく
ミーシャが慌ててコップに水を組みガイアが少女の上半身を軽く起こして口元にコップを添えてみればこくこくと水を飲み始めた
とりあえず意識を取り戻したことに二人はほっとする
「ここは……？父様…母様は……？」
水を飲み終え少女はあたりを見回すと二人に視線を向ける
「ここはハスライ島よ。あなたどこから来たの？」
「……分からない」
「なら、あなたのお母さんとお父さんは？」
「……分からない」
「……でもさっき母様、父様って」
「……分からない」
何を聞いても少女は首を横に振る
とりあえず少女が目覚めたため医者に来てもらうと熱も下がりもう安心しても良いそうだ
ただ一つ心配するとするならば
「記憶を失っている」
医者は少女にミーシャと同じような質問をしてそう判断した
何が原因かは分からぬが覚えているのは自分の名前だけらしい
「あなた、Aって名前なのね、可愛らしい名前をつけてもらったのね｣
「………？」
「ねぇ、もしあなたが良かったらの話だけど私たちの子供にならない？」
「ミーシャ！？」
「あら、いいじゃない。海軍にこの子のこと知らせておいて親が見つかるだけの間でも引き取ってもいいでしょ？私たち結婚するんだし」
「そ、それはそうだが」
「なら、決定ね!!ねぇあなたの親が見つかるまで私たちと一緒に暮らしましょ？｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 27人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ONEPIECE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
歌和月(プロフ) - 緋翳さん» ありがとうございます^^*本編も含め頑張っていきます (2018年2月12日 17時) (
レス) id: 89164110a3 (このIDを非表示/違反報告)
緋翳 - 凄く面白いです！あぁ私も文章力欲しいです… これからも頑張ってください！ (2018年2月12日 17時) (レス) id: 03ab5a0e13 (このIDを非表示/違反報告)
わははのは - そうなのか！すみませんです！ (2017年7月22日 21時) (レス) id: 376a668e6c (このIDを非表示/違反報告)
歌和月(プロフ) - 祠妙さん» 感想ありがとうございます！また返信が遅れてしまいすいません(汗)かん…かな？のところは夢主が迷いながら発言したということでわざと平仮名なんです。分かりにくくてすいません(汗) (2017年6月27日 21時) (レス) id: cf7023feee (このIDを非表示/違反報告)
祠妙 - すごいんだお。あと、かん,,,かな？のところのかんがひらがななんだお (2017年6月15日 17時) (レス) id: 376a668e6c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：歌和月 | 作成日時：2017年4月7日 16時
