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炎の島 ページ4

どこを見渡しても炎とがれき
人の気配など一つもない

『ルフィ……』

見聞色の覇気を使ってもA程度の力では島全体を見ることは出来ない

月海(るう)凛海(りう)…どう?』

少し先を歩く二匹も首を横に振るばかり

『嫌ね…ここ。死の空気しか漂ってないし…そもそも』

未練のある魂が多すぎる
ここで人が多く死んだ証拠だ

『月海、凛海、止まって。弔ってあげよう。このままじゃ魂たちが哀れだわ』

扇子を取り出しパッと開く
二匹の狼は腰を下ろし主人を見つめた

『安心して。私があなたたちを守るから』


ーーーーー


どれくらい時が経過したのだろうか
一つまた一つと魂は淡い光にあふれ消えていく

『神よ

導きませ

導きませ

ふるえゆらゆら

魂響の舞』

これで終わり
ゆっくりと扇子を閉じ、腰紐へとさした

『これで全部じゃないって思ったらゾッとするわ』

何十分もかけてはみたもののまだ天に帰してない魂はあるのだろう
どれほどこの島で人が未練を残したまま亡くなっていったことか

『考えたくもない……』

早くルフィたちと合流してしまいたい
空を飛んでもいいが、できるだけ体力は温存しておきたいのが正直なところ

『どうしよう……


あぁ、丁度いいところに』

座っていた二匹が立ち上がりガルルと音をたて威嚇する
目の前に現れたのは巨大なドラゴン
想像上の生き物のはずのドラゴンがそこにはいた

『おっと、攻撃はしないで』

ドラゴンが口を開いた瞬間、すぐさま覇王色で身動きを封じる

グゥ…グルル

『怖がらないで、私は君を傷つけることはしない…ちょっと協力して欲しいだけ』

グルル…グゥ…グルル

『知ってる。君が作られたことも、よそ者を排除するために存在することも知ってるよ』

だけどね
怯えた目をするドラゴンの鼻をそっと撫で、頭をすり寄せる

『仲良くしよ?私たちには争う理由も無いでしょ?』

ねっ、と優しく撫でるとドラゴンは小さく鳴き、背を向けた

『乗せてくれるの?』

グルル…

『ありがとう。怖い思いさせてごめんね』

ドラゴンは背にAの重みを感じると、落ちぬようにとゆっくりと宙に浮く

『私の仲間を探したいの。たぶんだけど寒い方にいるかもしれない…そっちまで行ける?』

返事は返ってこなかった
だが、ドラゴンは羽ばたき飛び出す

『"シーザー"、"スモーカー"、"ロー"』

Aの呟きを聞くものはドラゴンと二匹の狼の精霊だけであった

死への足音→←パンクハザード



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歌和月(プロフ) - ピースさん» ありがとうございます(´∀`)しばらくしたら更新再開いたします (2018年4月25日 21時) (レス) id: 1c1f07a090 (このIDを非表示/違反報告)
ピース(プロフ) - 続きが楽しみです。 (2018年4月2日 14時) (レス) id: fa425b4f2d (このIDを非表示/違反報告)
歌和月(プロフ) - すみれさん» すいません…いろいろと忙しく空いた時間に書いているためどうしても遅れてしまうんです。気長に待ってもらえるとありがたいです (2018年1月27日 1時) (レス) id: 89164110a3 (このIDを非表示/違反報告)
すみれ - 早く続き書いて! (2018年1月26日 1時) (レス) id: 548b8d5423 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:歌和月 | 作成日時:2018年1月21日 17時

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