一時だけでも幸せを (ページ34)

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不思議なページ34

言葉が出なかった
いや、この感情をどう表せばいいのか分からなかった

「よし、お前たちは島の人たちから情報を貰え。クソマリモは船に待機だ」

「クソコックが仕切ってんじゃねぇよ」

「ニシシ、おれウソップと探すぞ」

あれから船に戻り、全員に事情を話せばすぐさま皆はロードの母親を探す計画をたて始める

信じられない

だって知らない子なのに
関係のない子なのに
それなのに私の話を聞いただけで探してくれるだなんて

「お姉ちゃん…この人たち海賊なの？」

『そう…だよ』

「海賊って悪い人たちなんだよね」

「そうよ～私たちは悪い人間。だけどね、あんたは傷つけないから安心しなさい」

横でロードの声が聞こえたナミがからかうようにように言う

『ほんとにいいの？』

「どうしたのよ急に」

『だって…私のワガママで』

この人たちにはこの人たちの旅があるのに
足止めしてしまったのは私だ

「ほんとあんたって子は…」

ナミが呆れたようにため息をつく

「いい？あんたが気に病む必要はないのよ。あたし達が仲間のためにやりたいからやってるだけ」

『仲間のため…?』

「そうだぞ、A。おれたちがやりたいからやってるだけだ!!それに、ワガママならナミの方が多い!!」

ルフィの言葉にそうだそうだとほかの皆が頷く

「あんた達…誰がワガママですって?」

「すまん、ナミ!!」

「いいわよ、ルフィ。その代わり１ヶ月お小遣いは無し!!」

「そんなァ…!!」

和やかな空気が流れる

不思議
自分の利にならないのに…

「いつまで辛気臭い顔してんのよ。あんたも意見言いなさい。助けてあげたいんでしょ？その子の親を」

『うん…助けたい。親を失う悲しみはこの子には必要ないわ!!』

だから…

『だから、一緒に探してください!!』

何も出来ないけど
でもそれでも

「馬鹿ねぇ…最初からそのつもりよ。この船のヤツらは誰一人嫌がるやつはいないんだから」

一人一人が頼もしい
輝いて見える

かっこいい

「お姉ちゃんはこの人たちの仲間なの?」

『どうだろう…でもそうなりたいなぁ』

「そうなるといいね!!この人たちかっこいいし」

『!!……そうだね』

ついてきてよかった
屋敷を飛び出して正解だったかもしれない

そうじゃなかったらこの人たちに出会えてなかったもの