一時だけでも幸せを (ページ27)

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覚悟ページ27

何分たってもルフィは出ていこうとしない
それだけではなく、あぐらを組んで床に座り込んでしまった

「A様!!あの者たちが部屋におりません!!」

リリィが部屋の扉を開ける音が聞こえた
だが、

「な、なぜ開かぬのですか!!A様!!A様!!?」

寝室のドアノブが何度も回されるが開く気配は無かった
サンジを見れば仕方ないとでも言うように肩をすくめていた
いつの間にか鍵をかけられていたみたいだ

『ルフィ…あなたはどうしても私を連れて行きたいのね』

「あぁ」

『わかったわ……』

私も、覚悟を決めよう

『あなたについて行く』

「ほんとか!!?」

『ただし、半年間だけ。半年たったら私をこの屋敷に戻してちょうだい』

それが最低条件
休暇中だけあなたに付き合ってあげる

『それ以上、私に船にいて欲しいならあなたがそう思わせればいい事』

「おう!!任せとけ!!」

元気の良いルフィの返事に思わず笑みが漏れる

『リリィ!!私は無事よ』

「A様!!」

安心するような声が聞こえた

ごめんね、リリィ
今から私は…

悪い子になるわ

『だけどね、リリィ。ルフィたちは私の部屋にいるわよ。私を仲間にしたいから攫いに来たんですって!!助けて、リリィ!!』

「Aちゃん!!」

私の言葉にサンジは目を開く

嫌ね
誰も素直に仲間になるなんて言ってないわ

『私を攫いに来たのでしょ?ならば、私が命を預けてもいいと思える行動をしてちょうだい』

私の兵たちに負けるようでは話にならない
まぁ、この人たちが強いことは知ってはいるけれども
それはそれ、これはこれ

「まぁまぁ!!なんという事でしょう!!誰か、誰かおらぬか!!兵を呼べ!!」

「こりゃまずいな…どうぞ、お手をレディ」

サンジの手を取ると、横抱きに抱き上げられた
いわゆるお姫様抱っこ

「おい、ルフィ!!おれがAちゃんを連れて行くから、お前は兵たちを蹴散らせ」

「わかった!!」

『ねぇ、あまり怪我はさせないでね!!』

「……わかった!!」

私がけしかけたとは言え、彼らになんの非もないのだから

「行くぞ、ルフィ!!」

「おう!!」

扉が蹴破られる
リリィがよろめいて後ろに転けてしまったのが見えた

「A様!!ごめんね、リリィ!!」

自由を見てくる

サンジたちは唖然とするリリィの横を素早く通り抜けて行ったのだった