一時だけでも幸せを (ページ23)

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騒がしいディナー2 ページ23

その日はコックたちのはからいなのか、いつもより夕食の準備は早くに終わっていた

リリィに呼ばれ、ダイニングルームに行くと長机にはいつもより多く食器が並べられ、大皿がいくつも置かれてあった
私を入れて10人が食べるのだ
リリィ曰く、コックたちも腕によりをかけたらしい

「すっげえ!!」

ルフィが目を輝かせて豪華な食事たちを見る

『私の屋敷のコックたちは、元々、各国の宮廷コックたちなの。だから美味しいのよ』

私の説明に、ルフィ、サンジ、ウソップが興味深そうに食事を見た

『ふふっ、頂きましょう』

椅子に座って手を合わせる
政務以外でこんなに大人数で食事を取るのはいつぶりなのだろう

ーーーーー

食事が始まってわずか数分
思わず唖然とした

「おい、ルフィ!!それ、おれのだろうが!!」

「この酒、うめぇな!!」

「ん？これは…東の海の調味料か？」

騒がしい…
食事のマナーなんて無いかのようで…
ルフィにいたっては次々と手づかみで食べていく
ナミやロビンは綺麗な食べ方ではあるが

「ごめんね、騒がしいでしょう？」

困惑する私に、ナミが申し訳なさそうに声をかけてくる

『え、えぇ…ちょっとびっくりしちゃったわ』

でも、なんでだろう

『楽しいわ』

こんなの初めて
食事ってこんなに楽しく食べれるものだったなんて知らなかった

「あんたってちょっと変わってるわね」

『そうかしら?』

ナミの言葉に首を傾げる

「こう世間ズレしてるみたいな」

『そういう事なら…私、あまり外に出れないからナミの言う通り世間ズレしているかもしれないわ』

マリージョアの外に出ても行動範囲は限られていた
どこぞの王国の王宮、シャボンディ諸島の一部分
限られた者達としか関われなかったから

「Aはずっとここに住んでいるの？」

「それがね、ロビン。ここは別荘らしいのよ」

私の代わりにナミが答えてくれた

『ここも来るのは今日が初めてなの…これから半年間はここが私の住む場所かしら』

もちろん、半年たてばマリージョアに戻らないと行けないが…

「Aは何をしているの?」

「ロビン、それあたしも聞きたかったの!!何か仕事してるの？」

『父と母が遺産を多く残していてくれたから…』

嘘では無い
無いのだが…天竜人だなんて口が避けてもいえない言えばこの人たちは去ってしまいそうだ

「そうなのね」

にこやかに微笑んだロビンの顔が何故か怖い

どうかバレませんように…

そう願うしかなかった