初夢

優しさは有限 ページ10

て｢わかった。その代わり絶対受かれよ！｣




そう言いながら私の手を握り返してくれた




きっと彼からしたら、わざわざ場所は“てつや以外 全部、虫眼鏡”の動画の告白シーンと同じ場所を選び、勇気を振り絞って言ったのに待てって言うのかよ という気持ちも少なからずあるはずである



しかし嫌な顔ひとつせず、温かく受験を応援してくれた。





てつやさんの優しさに思わず笑みがこぼれる




て｢でも｣



優しさは有限である






て｢もうお互い好き同士だし、今日くらい許して｣




そう言って彼の整った顔が少しずつ近づいてくる






もう、彼に身を任せよう




そう決めた私は目を閉じて、彼との距離が0cmになるのを待った

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