幼馴染み ページ4
A：「ありがとうございます。では失礼いたします。」
電話を切ると同僚の雅紀が椅子を滑らして私の隣にくっ付いた。
雅紀：「どう？商談成立？」
私は雅紀の顔を覗き込んで思わずVサイン。
A：「やった！取れた！」
雅紀：「おおー！やったじゃん！あそこは大手だから売り上げ伸びるぞー！」
A：「うん、やったぁー！」
雅紀：「じゃあ商品を引き立てるコンセプト考えなきゃな！」
A：「そうだね。雅紀助けてくれる？」
雅紀：「もちろん！」
.
.
私の勤める広告代理店は割と世に知れ渡ってる大手で、まぐれにしてもよく採用されたと今でも思う。
初めはデスクワークを希望していた私にとっては営業なんて未知なる世界で右も左も分からなかったけれど。
一緒に入った同期の相葉雅紀が何かと愚痴を聞いてくれたりして今に至る。
あと上司にも恵まれたかな。
翔：「如月。」
名前を呼ばれて振り返ると直属の上司の櫻井さんがそこに立っていた。
A：「櫻井さん！やりました！例のTearaの化粧品の広告、商談成立しました！」
翔：「みたいだね。おめでとう。初の大手契約。」
A：「ハイ！ありがとうございます〜」
なんだか泣きそう。
雅紀：「翔ちゃん！A頑張ったから高級焼き肉でも奢ってやってあげてよ！ついでに俺も♫」
翔：「こぉら！会社では櫻井さんと呼べ。いくら幼馴染でも馴れ馴れしいぞ。」
言いながら雅紀の頭をコツン、とこつく。
そう。櫻井さんと雅紀は小さい頃ご近所に住んでて、雅紀は櫻井さんによく遊んでもらってたらしい。
この会社も櫻井さんに勧められて推薦入社されたって、なんてラッキーなんだろう。
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作者名：ゆい x他1人 | 作成日時：2018年5月18日 0時
