それはやっぱり君でした【にのあい】 (ページ27)

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浮気(美羽side) ページ27

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美羽：「………い、った………、」

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思ったより痛くて。

思わず和也の腕を握りしめる。

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和也：「………痛い？」

労わるように私のおでこを空いてる片手で撫でる。

でも止めない。止まらない。

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和也の両親は2人ともお医者さんで忙しく。

大きいうちに和也はいつも1人。

私たちが身体を重ねるのに時間はかからなかった。

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和也の部屋には大きな窓があって夕日が綺麗に見える。

和也に抱きしめられながらぼんやりと夕日を眺めてると耳元で和也が静かに笑って言った。

和也：「…俺の親2人とも浮気してるんだぜ。」

美羽：「………え、」

振り返ると色素の薄い和也の瞳に夕日が映っていた。

和也：「しかもお互い公認してるの。なんのために結婚してるんだろーな。」

美羽：「………。」

大人にはきっと大人の事情があるのだと思う。

私の父もいつも家にいなかった。

美羽：『お父さんはどこにいるの？』

幼い頃は不思議で母に聞いたことがある。

まだ幼かった母は私にしれっと言う。『パパは女の人の所にいるのよ』

今思えば。

母は着々と準備をしていたのだと思う。

離婚の準備。

大手製薬会社に重役として勤める父から少しでも慰謝料をふんだくるため。

引き出しの奥から父と浮気相手と写真がたくさん出てきた時はさすがに手が震えた。

…この2人はなんのために結婚生活を続けているのだろう。

父にとって私と母の存在ってなんなんだろう。