素晴らしき嘘2 (ページ5)

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…カタン。

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後ろによろけると蛇口から飛び散る水が腕に触れた。

和也の手はまだ私の腰にしっかりと回されてる。

この手の感触は…夢じゃない。

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A：「…な、に…言って…」

そう言って笑って誤魔化そうとしたら回された腕に更に力がこもった気がした。

和也：「A。」

もう片方の腕が伸びて顎を持ち上げられて、私はかたまったまま動けない。

動けない、まま------------------------

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A：「…………っ、」

昨日も感じた、この感触。

和也の唇の感触………

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A：「………んっ、かず………っ、」

唇を外そうと抵抗してもまた塞がれる。

ああ、そうだ、思い出した。

あいつ、昨夜キスする前に、『………A………』って。

確かにそう言った。

私の名前、呼んだ。

A：「………ん、はぁっ………っ！」

抵抗、してるのに。

容赦無く和也の舌が侵入してくる。

A：「………っ、」

イヤだ。

こんなのは、イヤだ。

私の中で和也が急に男になった気がして怖いのと、突然の出来事に頭がグチャグチャなのと、もうワケが分からない。

和也の唇で塞がれた唇が自分でも震えてるのがわかる。

怖い。

和也が、怖い。

A：「………う、………っ、」

涙が頬を伝って、和也が動きを止めた。