素晴らしき嘘2 (ページ28)

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A：「あ、あの………智くん………、」

口を挟もうとしたら和也が有無を言わさずキッパリと言った。

和也：「絶対ヤダ。」

智：「…どうしても？」

和也：「どうしても。」

智：「怖いんだ？」

和也：「………は？」

智：「自信がないんだね？」

和也：「………。」

智：「想像つくよ、この狭い部屋でネチネチAに手を出し続けて洗脳し続けて手篭めにされてくAの姿が………」

今。

目の前にいるこの智くんは私が今まで見てきた知的で大人でスマートな彼とはかけ離れている。

誰？この子供？？

智：「動かないぞ、いいって言うまで俺はここを動かない！」

そう言って智くんは胡座をかいて腕を組んでフン！と言わんばかりに鼻息を荒くしたから
私も和也も若干呆れ気味にため息をついた。

智くんをこんなに子供っぽくされてるのは………私のせい？って思ったら。

A：「………ふっ、」

ちょっと可笑しくて思わず吹き出してしまった。

和也：「おい、笑い事じゃねーぞ。」

そうなんだけど。

和也：「………どうすんだよ、このおっさん。どっち選ぶわけ？A。」

A：「ど、どっち？」

和也：「………。」

和也がじいぃって私の顔を見つめる。

A：「そんなこと、突然言われたって………ってゆうか考えらんないよ、昨日の今日で！頭パンパン！！」

すると和也ははぁぁぁぁ～って大きな大きなため息を吐いた。