素晴らしき嘘2 (ページ24)

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和也：「………俺出る。」

抱きしめられた腕が緩むと和也は立ち上がってモニターを見つめた。

和也：「………。」

A：「…誰？」

問うと和也はゆっくりこっちを振り返ってものすごい不機嫌な顔付きで私を見るから…

A：「な、なに？」

和也：「………智くん。」

A：「ええっ？！」

驚いて立ち上がると和也を押しのけて私もモニターを覗き込むとこちらも機嫌の悪い智くんがこっちを睨んでいた。

A：「智くん、どうしたの？」

裏返った声でそう言うとモニター越しに智くんの表情が少し和らいで、

智：『えっとー…、その、なんだ。仕事の？話があって。会える？』

A：「仕事………」

仕事？？

A：「えっと、私なんかミスしたっけ？」

智：『あー…んと、そうじゃなくて…』

A：「あ、今度の会議の資料のことですか？」

智：『あ！うん、そうそう！』

すると横で黙って聞いていた和也が今度は私を押しのけてモニターに話しかける。

和也：「おい、おっさん、ハッキリ言ったら？邪魔しに来たんだって。」

A：「和也？」

和也はこっちに視線を移すと、

和也：「お前も鈍感なヤツだな。本当に仕事の話だったら電話でいいだろ。」

モニターに和也の声が聞こえたのか、映ってる智くんが不敵に笑った。

智：『ご名答。早く開けろよ、弟くん。』