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意を決して、椅子にかけてあったカーディガンを羽織ると立ち上がった。
帰ろう。
いつもまでもウダウダやってたって仕方ない。
立ち上がった私に気が付いた智くんは、
智：「帰るの？」
って心配そうな顔。
A：「はい、お先に失礼します。」
ニコッと笑顔で返すとそのままロッカーに向かうためエレベーターの前で待った。
智：「A。」
背後から智くんの声がして振り返ると息を切らせて走って来てくれたみたい。
智：「俺もうちょっとしたら終わるけど、」
A：「………。」
智：「待ってる？」
A：「今日は………帰ります。和也が待ってるから…」
智：「………」
A：「…智くん？」
智：「それは、」
言いかけて、人目を気にしながら。
智：「男として待ってるって、こと？」
A：「………！」
男として？
男と………して？？？
A：「………ど、どうなんだろう、え、そ、そうゆう…ことなのかな？」
智：「………。」
智くんは暫く考え込みながら、「ちょっと、」って言いながら非常階段に私を誘導。
智：「ちょっと、昨日あの後告白されただけ？なんかされたりした？なんか友達いたみたいだから安心してたけど。」
A：「………う、」
智：「されたの？今まで姉弟として暮らしてきたのに急に行動に移す？？」
智くんの表情が曇る。
智：「箍が外れたか………」
A：「………ええっ？？」
箍が外れた？？？！！！
智：「帰んの？大丈夫？」
今まで余裕ぶっこいてた智くんの態度が急に余裕なくなるから、私も焦る！
A：「だ、大丈夫ってなにが？なんの話！！」
智：「だから…」
一旦話を切ると、
智：「手篭めにされないかって話…」
A：「てっ…！」
手篭めだぁ？
A：「さっ、されないよ！和也だよ？弟だよ？？」
智：「実際されたんでしょ、昨夜。」
A：「うっ…、」
昨夜って言うか、今朝もだけど。
A：「きっ、キスだけだよ！」
あ、言っちゃった。
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作者名：＊まぁ＊ | 作成日時：2020年5月20日 15時
